棋聖戦ライブ中継

第25期 棋聖戦 挑戦手合七番勝負

王、難戦を制して棋聖防衛

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第1局

1/12・13 趙九段
黒番1目半勝ち

第2局

1/24・25 王棋聖
黒番中押し勝ち

第3局

1/31・2/1 王棋聖
白番中押し勝ち

第4局

2/14・15 趙九段
白番半目勝ち

第5局

2/21・22 王棋聖
白番中押し勝ち

第6局

3/7・8 王棋聖
黒番5目半勝ち
第7局 3/14・15 -

第25期棋聖戦七番勝負、12日から 新世紀飾る頂上対決

 囲碁界最高のタイトル戦、王立誠棋聖(41)と挑戦者・趙善津(そんじん)九段(30)の第二十五期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)が今月中旬から始まる。第一局(日本アジア航空協賛)は一月十二、十三日、棋聖初防衛を目指す王棋聖の故郷・台湾台北市で。新世紀の幕開けを飾る熱戦を前に、大竹英雄、加藤正夫両九段に勝負の見どころを聞いた。

◆大竹・加藤の目
粘り強い布石の趙 / 勝負所押さえる王

加藤正夫九段、大竹英雄九段
 

 ――今期から制度を改正し、本戦はリーグ戦になりました。七番勝負の予想の前にひとこと感想を。
大竹 リーグ戦は腰を落ちつけて打てる意味があっていい。賛成です。
加藤 棋士の間でも評判は悪くなかった。同時に入ったのになんで序列があるんだと、一部に不満はあったようだけど、最初だから便宜的に順位をつける必要はあるわけだし、しかも事前に決めてある規定だからね。
大竹 そうだね。むしろ問題は陥落の人数。各組三人落ちるくらいのほうが緊張感があっていい。

 ――検討事項としておきます。で、挑戦者決定戦は趙善津九段と淡路九段になりました。
大竹 順当だと、趙―趙対決だったんだろうけど、淡路君が持ち味を出して頑張ってくれたということでしょうね。ただ治勲さんは名人戦の防衛戦の最中で、そのつらさはあった。
加藤 治勲さんとの碁がすべてでしょう。「勝負あり」とみんな帰ってしまった。ところが翌日確認したら、淡路君の「半目勝ち」、なんで半目になるのか不思議だった。一方の善津さんは本因坊を取られてから絶好調になった。経験があるからわかるけれど、タイトルを持っていると、自身がぬるま湯につかっていることがわからない。で、奪われて初めて気がつくんだ。善津さんもそうだったのかもしれない。

 ――で、決定戦は善津九段が勝って、初の棋聖挑戦です。王棋聖との対戦はこれまで四勝四敗の五分です。
大竹 あまり大きな棋戦で対局していないから、新鮮な感じがします。
加藤 立誠君に五分というのは大変なことだね。立誠君に勝ち越している棋士はそうはいない。
大竹 二人とも序盤から中盤にかけてというより、中盤から後半にかけて力を発揮するタイプだけれど、その中身は違うんだよね。善津君は狙っている碁だし、若さ体力もあって一局ごとに強くなる。立誠さんにとってはやりにくいタイプでしょう。
加藤 善津君は戦いにも強いし、粘りもあるからね。これまでの直線的な強さに加え、柔らかさもでてきた。立誠さんの得意とする展開になるかどうか。

 ――王棋聖の碁について。
大竹 完ぺきな強さというわけではない。弱さもあるけれど、なにか計り知れない強さがある。対局している相手が何かプレッシャーを感じるんだよね。
加藤 中盤以降の見方が幅広くて、柔軟ですよね。

 ――棋聖奪取後の調子はいま一つといわれていますが。
加藤 それはないと思う。棋聖を取ってほっとしていたところもあったけど、急所ではちゃんと勝っているし、万全の態勢で出てくる。勝負所というか、そういうところはすごいから。

 ――では、勝敗予想をお願いしましょうか。
大竹 ストレートはないが、七番までいくとも思えない。六局で決着なら四―二で立誠君。七局にもつれ込めば善津君。
加藤 立誠君に勝つのは大変なことだと思うけれど、立誠君もちらっと苦手意識もあるはずで、四―二で善津さん、としておきます。

 ――どうもありがとうございました。

過去の対戦は互角 闘志燃やす2人

◆王立誠棋聖  棋聖の座、もう一期

王立誠棋聖

 棋聖を取った後は成績も内容も不本意、ちょっと気が緩んだのかもしれません。七番勝負に向けて気持ちを切り替えます。

 趙九段は調子が良さそうです。手厚く、息の長い碁で強敵です。

 台湾での第1局は楽しみです。これをプレッシャーにしていい碁を打ち、七番勝負の流れを作るきっかけにしたい。

 もう一期、棋聖の座にいたいですね。

 ◇おう・りっせい 1958年、台湾南投市出身。71年来日、72年初段、88年九段。95年王座戦で初タイトル。98年、99年、王座連覇。2000年、中国の世界選手権戦「春蘭杯」優勝。昨年の成績は31勝18敗。

◆挑戦者 趙善津九段  真剣勝負、修業の場

趙善津九段

 リーグ戦は内容が悪く挑戦者になれるとは思っていなかった。(成績がいいのは)我慢が出来ているということでしょうか。

 王棋聖は乱戦に強く勝負強い。そう簡単には勝たしてくれません。

 ボクの碁は行き当たりばったり。普段はあまり勉強をしないので、王棋聖との真剣勝負はいい修業の場になります。精いっぱい戦って、いい時間を過ごしたい。

 ◇ちょう・そんじん 1970年、韓国光州市出身。82年来日、84年初段、98年九段。99年趙治勲本因坊の11連覇を阻んで本因坊となり、初の三大タイトルの一つを獲得。2000年、本因坊防衛に失敗。昨年の成績は25勝15敗。

棋聖戦 過去の勝敗

第25期棋聖戦 七番勝負 日程

  対局日 対局場
第1局 1月12・13日 台湾台北市
「ホテル・ロイヤル・タイペイ」(老爺大酒店)
第2局 1月24・25日 富山県宇奈月温泉
延対寺荘
第3局 1月31日・2月1日 福島県磐梯熱海温泉
ホテル華の湯
第4局 2月14・15日 大分県大分全日空ホテル
オアシスタワー
第5局 2月21・22日 鳥取県羽合温泉
望湖楼
第6局 3月7・8日 長野県長野ホテル
犀北館
第7局 3月14・15日 未定

2人の対戦成績(肩書は当時)

 王(4勝) 趙(4勝)
1989碁聖予選   
  92名人2次   
  94王座2次   
  95富士通2次  
  97NEC1回戦 
    JT杯本戦  
  98本因坊リーグ 
  99本因坊リーグ 

Aリーグ

順 位
柳 時熏七段石田篤司八段楊 嘉源九段今村俊也九段淡路修三九段趙 治勲九段
淡路
今村
石田
4勝1敗2勝3敗1勝4敗
陥落
1勝4敗
陥落
4勝1敗3勝2敗

Bリーグ

順 位
張  栩六段彦坂直人九段長谷川直九段宮沢吾朗九段石田芳夫九段趙 善津九段
石田
宮沢
長谷川
彦坂
3勝2敗2勝3敗
陥落
0勝5敗
陥落
2勝3敗4勝1敗4勝1敗
(勝敗が同じ場合、挑戦者決定戦進出者、リーグ陥落者は順位による)