棋聖戦ライブ中継

第28期 棋聖戦 挑戦手合七番勝負

羽根新棋聖誕生

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第1局

1/15・16 羽根天元 黒番中押し勝ち

第2局

1/28・29 羽根天元 白番中押し勝ち

第3局

2/4・5 羽根天元 黒番3目半勝ち

第4局

2/18・19 山下棋聖 黒番半目勝ち

第5局

2/25・26 山下棋聖 白番中押し勝ち

第6局

3/10・11 山下棋聖 黒番中押し勝ち

第7局

3/17・18 羽根天元 黒番中押し勝ち

20代 フレッシュ対決 第28期棋聖戦 15日から七番勝負

 囲碁界の最高タイトル戦、第28期棋聖戦七番勝負がいよいよ始まる。山下敬吾棋聖(25)に挑むのは羽根直樹天元(27)。20代同士のフレッシュな対決だ。第1局は今月15、16日、米・シアトルの「ザ・フェアモント・オリンピック・ホテル」で行われる。依田紀基名人(37)、山城宏九段(45)、山田規三生八段(31)の3人に展開を予想してもらった。

◆依田紀基名人、山城宏九段、山田規三生八段が分析
 際どいことになる - 山城
 精神力の勝負 - 依田
 ライバル意識働く - 山田

依田紀基名人、山城宏九段、山田規三生八段

 ――リーグ戦から振り返ってみたい。依田さんはBリーグで2勝3敗だった。
依田 「2連敗スタートだった。残留したのだから、良しとしなければならないだろう。」
山城 「Bリーグは、だれが挑戦者決定戦に出てもおかしくない展開だった。」

 ――結局、趙治勲二十五世本因坊が決定戦に進んだ。
依田 「もともと強い人だからね。相当気合も入っていた。」
――王銘エン王座は趙さんと同星だったが、リーグ順位の関係で決定戦出場を逃した。 依田 「ぼくの最終戦の相手。ぼくが負けた時点で、治勲さんと柳時熏さんの対局はまだ続いていて、ここで治勲さんが負ければ、銘エンさんが決定戦へ、ぼくは陥落だった。」

 ――柳九段はリーグ1位で陥落した。
山田 「集中できていない感じがする。」
依田 「並のスランプじゃない。碁そのものは悪いわけじゃないが、勝ちに見放されている気がする。」

 ――Aリーグは羽根天元が全勝して、すんなり決まった。
山城 「4戦目の三村さんとの対局が急所だった。羽根さんが寄せで逆転した。」
依田 「棋聖戦リーグは順位が大きな意味を持つ。リーグ2位の羽根さんが3連勝した時点でほぼ決まったと言ってもいいだろう。」
山城 「今村さんの3勝2敗は立派だった。」
山田 「じっくりした碁でしっかりしている。2戦目で王立誠十段に勝ったのが大きかった。それが結果的に、同じ中部の羽根さんの応援にもなった。」

 ――それでは趙―羽根対戦となった挑戦者決定戦について聞きたい。
山城 「羽根さんが布石で新手を打ち、有利になった。研究していたテーマが局面に現れるとは運が良かった。」
山田 「治勲さんが中盤で盛り返し、最後は細かかったが。」

 ――挑戦者に決まった羽根天元について、中部の先輩である山城さんから伺いたい。
山城 「最近、棋風が変わっている。以前は、これくらいならいいか、という感じがあったが、頑張るようになった。妥協しない。ただ、頑張り過ぎるきらいもあり、それで負けにすることがある。」
山田 「読みが正確。最近は特にたくましさを感じる。」
依田 「確かにここのところ充実している。」

 ――挑戦を受けて立つ山下棋聖はどうだろう。名人戦7番勝負では依田さんに敗れたが。
依田 「名人戦では本来の力が出ていない気がした。厚みを築き、それを攻めに生かす碁のはずなのに、ちぐはぐなところがあった。特に2局目以降は妙な感じだった。厚みを築くかと思えば、地に走る、といった具合だった。」
山田 「名人戦ではおかしかった。依田さんに狂わされてしまったようだ。」
山城 「しっくりきていない風で、天元戦もそんな感じがあった。」

 ――さて、棋聖戦7番勝負はどんな展開になるだろう。
山城 「羽根さんが足早に逃げ、山下さんが追い込む展開でしょう。しかし羽根さんが最近頑張ることを考えれば、毎回際どいことになるだろう。」
依田 「両者とも足腰がしっかりしている。あとは精神力の勝負。」
山田 「天元戦で羽根さんが山下さんを退けて防衛を果たした。この結果は大きい。同世代だけにライバル意識はあるだろう。」
山城 「以前は羽根さんがずいぶん負けていたが、天元戦を見ても今は苦手意識はなくなっているようだ。」

 ――山下棋聖は名人、天元と相次いでタイトル戦で敗れた。
山田 「名人戦の後は調子は次第に戻っていると思う。天元戦もいい勝負だった。」
依田 「碁打ちは、負けた時こそ真価が問われる。名人戦では負けても全く表情に出さず、立派だと思った。棋聖戦では本来の碁を打ってくれるだろう。」

 ――12月に結婚したが。
依田 「ぼくの場合は結婚はプラスになった。ただ、家庭の雑事には手を出さず、碁だけに集中してほしい。ぼくは、何もしないと、最初に宣言した。」

 ――ずばり勝敗を予想してほしい。
山城 「ぼくは羽根さんが負けるとは言えない。4勝3敗で羽根さんだ。」
依田 「5局目を勝った方が6局目も勝つ。だからどちらが勝つにしろ4勝2敗。」
山田 「4勝2敗で山下さんだが、1、2局を羽根さんが連勝すれば4勝1敗で羽根さんか。」

◆山下敬吾棋聖 「不安なし 自分らしく」

山下敬吾棋聖

 昨年は(棋聖を取った)前半は良かったが、後半は内容がひどすぎて不満です。まあ今までが出来過ぎだったということかも知れません。 今期の7番勝負は、挑戦を受ける立場だということを意識せず、自分の碁を打つことを心がけたい。

 羽根さんはしっかりした碁で、手厚い中にもスピードもあり、寄せもミスが少ない。少し先輩ですが、同世代としてその活躍に刺激を受けてきたし、天元戦でも戦っているので、気分的には楽です。正月はゆっくり休めたので、天元戦の結果は忘れるよう気分を切り替えて臨みたい。2日制の碁の雰囲気にも慣れたし、不安はありません。

 棋聖にふさわしいといわれるような、いい内容の碁を打ちたい。

 ◇1978年9月6日生まれ。北海道旭川市生まれ。93年入段。98年から新人王4連覇の新記録。00年、第25期碁聖。03年、王立誠棋聖を下して棋聖となり、七段から九段に昇段。昨年の成績は34勝18敗。

◆羽根直樹天元 「安定感ある打ち方で」

羽根直樹天元

 2日制の対局は初めてですが、ぼくは時間が長い方が好きなのでうれしい。打ち掛けの夜も自然体で過ごせると思っています。

 山下さんとの対戦成績は負け越していますが、ほとんどこちらが勝手に転んでいたもの。山下さんの戦いの強さ、終盤の強さを気にし過ぎて、間違えていましたが、いまは苦手意識はありません。

 山下さんの碁は石が上にいきます。甘くなりそうにみえますが、そこから地に転換するのがうまい。ぼくは地に辛いといわれていますが、手厚く、安定感がある打ち方が好きだからだと思います。

 7番勝負は普段の碁とは環境が違いますが、多くの人に注目されているので、しっかりした碁を打ちたい。

 ◇1976年8月14日、三重県生まれ。91年初段、02年九段。01年、柳時熏天元から天元位を奪取、昨年12月、山下棋聖の挑戦を退け、天元3連覇。羽根泰正九段は実父。夫人はしげ子初段。昨年の成績は38勝19敗。

棋聖戦 過去の勝敗

第28期棋聖戦 七番勝負 日程

  対局日 対局場
第1局 1月15・16日 アメリカ・シアトル
Fairmont olympic hotel
第2局 1月28・29日 福岡市・中央区
ホテルニューオータニ博多
第3局 2月4・5日 三重県・桑名市
六華苑
第4局 2月18・19日 広島県・因島市
ナティーク城山
第5局 2月25・26日 神奈川県・箱根大桶谷
冠峰楼
第6局 3月10・11日 新潟県・六日町
龍言
第7局 3月17・18日 静岡県・土肥町
玉樟園新井

2人の対戦成績(肩書は当時)

   棋 戦勝ち内容負け
98年NEC
俊英
山下六段黒4目半羽根七段
99年新人王
決勝三番勝負
山下新人王黒中押し羽根七段
99年新人王
決勝三番勝負
山下新人王白中押し羽根七段
00年十段羽根八段白半目山下六段
00年新人王
決勝三番勝負
山下新人王白中押し羽根八段
00年新人王
決勝三番勝負
山下新人王黒中押し羽根八段
01年鶴聖羽根八段黒半目山下碁聖
01年十段山下碁聖白半目羽根八段
02年本因坊山下七段白中押し羽根天元
03年十段山下棋聖黒中押し羽根天元
03年天元戦
五番勝負
山下棋聖黒1目半羽根天元
03年天元戦
五番勝負
羽根天元黒4目半山下棋聖
03年天元戦
五番勝負
羽根天元白中押し山下棋聖
03年天元戦
五番勝負
山下棋聖白中押し羽根天元
03年天元戦
五番勝負
羽根天元白6目半山下棋聖
山下棋聖の10勝5敗

Aリーグ

序列 順位 棋士名 王立 羽根 小林 石田 三村 今村 成績
1 王立誠
十段
3-2
2 羽根直樹
天元
5-0
3 小林覚
九段
1-4
4 石田芳夫
九段
0-5
5 三村智保
九段
3-2
5 今村善彰
八段
3-2

Bリーグ

序列 順位 棋士名 張栩 依田 治勲 王銘 淡路 成績
1 柳時熏
九段
1-4
2 張栩
本因坊
3-2
3 依田紀基
名人
2-3
4 25世本因坊
治勲
4-1
5 王銘エン
王座
4-1
5 淡路修三
九段
1-4