第26期 棋聖戦 挑戦手合七番勝負
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1/10・11 | 王棋聖 白番中押し勝ち |
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1/24・25 | 柳七段 白番半目勝ち |
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1/30・31 | 柳七段 黒番2目半勝ち |
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2/13・14 | 王棋聖 黒番4目半勝ち |
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2/20・21 | 王棋聖 白番中押し勝ち |
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3/6・7 | 王棋聖 黒番2目半勝ち |
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第7局 | 3/13・14 | - |
第26期棋聖戦七番勝負、10日から 王立誠棋聖 VS 柳時熏七段
◆変幻の技と若い力が対決
王立誠棋聖(43)に柳時熏七段(30)が挑戦する第二十六期棋聖戦七番勝負(読売新聞社、日本棋院、関西棋院主催)は、十、十一日、イギリスのロンドンで行われる第一局(日本航空協賛)で戦いの火ぶたを切る。三連覇を目指す王棋聖相手に、棋聖初挑戦の柳七段がどう戦うか――。囲碁界最高のタイトルを争う熱戦を前に、工藤紀夫、石田芳夫九段に勝負の見どころを聞いた。なお、ロンドン対局は、日本の文化を紹介する英国における「Japan2001」に認定されて「全英ユース囲碁大会」など関連行事も行われる。
◆タイプの違いで柳か/石田芳夫九段
◆復調狙う「逆転の王」/工藤紀夫九段
――まず挑戦者決定リーグ戦から振り返っていただきましょう。Aリーグは柳七段が一位でした。
石田 前期挑戦者の趙善津くんが二連敗スタート、柳くんには絶好の展開になった。初参加の三村くんも頑張ったけど、仮に最終戦に勝っても順位の関係で柳くんには及ばなかった。
工藤 順位の持つ価値は大きいですね。でも終わってみれば順当と言っていいのかも知れない。初戦は負けてるんだけど、残りを四連勝。やっぱり底力があるんだね。
――Bリーグは石田九段もいましたが、一位は趙治勲25世本因坊でした。
石田 出だしは二連勝だったんだけど、あとがね。負け越しじゃ、リーグ陥落しても文句は言えない。
工藤 治勲さんは王座も取って無冠を返上したし、復活しているように思います。初参加の羽根くんはさすがですね。
――まずは順当ということでしょうか。結局、柳―趙の挑戦者決定戦で柳さんが勝って棋聖初挑戦が決まりました。
石田 昨年前半、負けが込んでいたけど、今は完全に復調の気配です。棋聖リーグは一敗後の四連勝。碁の内容も、なかなか良かった。
工藤 私も彼とは何度か打っていますが、いつも細かい碁になるという印象があるんです。手厚くて、追い込み型という感じです。イメージ的には依田くん(名人)に似てるかな。
石田 そう、絶対に薄くはなりたくない、というタイプですね。
――昨年末、天元を失ったのが気になります。
石田 これは痛い。タイトルを持って棋聖戦を戦うのと、無冠で戦うのとでは気持ちの持ちようがだいぶ違う。
――迎え撃つ王立誠棋聖はいかがですか?
工藤 昨秋の王座戦を見ているせいかもしれないけど(三連敗で失冠)、ちょっと変調かな。
石田 確かに王座戦の三局は、いつもの立誠さんらしい粘りがまったく見られない、およそらしからぬ負けっぷりでした。
工藤 私は常々「最も勝ちにくい相手は王立誠」と言っているんです。いいときはしっかり勝って、形勢が悪くなってからの粘りとか、逆転するテクニックとか、そういったものが強さの源だったのですが……。
――二人の対戦成績は王棋聖が負け越しています。
石田 年齢差があると、最初は王さんが勝って、柳くんが追い付くというパターンだけど、二人とも強くなってから当たりはじめたというのは珍しい。
工藤 この数字は互角といっていい。細かい碁が多く、半分以上が二目半以内です。七番勝負でも細かい勝負になるような気がしますね。
石田 変幻・立誠の技を、柳くんがいかに封じるか――。そこらへんが七番勝負のポイントになるでしょうね。
――では最後に、七番勝負の予想をお願いします。
工藤 年も明けたことだし、強い王さんの復調を条件に棋聖に乗りましょう。
石田 天元を失ったのは気がかりだけど、二日制の碁が体力勝負ということも考えて、若い柳くんを推します。いずれにしても二人はタイプがまったく違うし、棒負けもなさそうだから面白い番碁になりそうです。
――ありがとうございました。
◆王立誠 『万全の態勢で粘り強く』
昨年は対局数も負け数も自己新記録、棋聖戦を含めて番碁は四回打ったことになりますが、強い相手ばかりで気が抜けず、しんどい一年でした。昨年後半の調子は最悪、勝てる気がしなかった。しかし、正月を挟んで休養は十分取れたし、碁の勉強もできました。調子を上げて万全の態勢で臨みます。
柳七段は手厚くて力強い碁だと思います。息の長い碁で、容易に勝たせてくれません。過去の対局でも細かい碁が多く、負け越してもいるので、気を落ち着けて粘り強く打とうと思っています。
◇1958年、台湾出身。71年来日、72年初段、88年九段。95年、王座戦で初タイトル。98年から王座3連覇。99年、趙治勲棋聖を下して棋聖。2001年、十段を獲得して三冠になったが、王座戦で防衛に失敗して、現在棋聖、十段の二冠。昨年の成績は34勝25敗。
◆柳時熏 『夢の舞台、全力で戦う』
棋聖戦では、これまで二回挑戦者決定戦で敗れて悔しい思いをしており、今期は棋聖挑戦にすべてをかけていました。プロになってから一度は立ってみたいと思っていた夢の舞台です。調子は昨年後半から上向き、棋聖戦リーグも納得出来る碁が打てました。挑戦者になったことがすべてといっていいでしょう。
棋聖はナンバーワンのタイトル戦で注目されているし、中身も濃い。王棋聖は自力があるし、独特の碁で僕と棋風はだいぶ違いますが、悔いの無いよう全力で戦います。
◇1971年、韓国出身。86年来日、88年初段、96年七段。94年、23歳で天元戦で初タイトルを獲得、以降3連覇。96年、初の七番勝負となる本因坊挑戦。同年、王座獲得。2000年、天元復帰したが、01年、防衛に失敗。昨年の成績は18勝20敗。
棋聖戦 過去の勝敗
第26期棋聖戦 七番勝負 日程
対局日 | 対局場 | |
第1局 | 1月10・11日 | ロンドン ザ・モントカーム・ホテル |
第2局 | 1月24・25日 | 仙台市 秋保温泉・ホテルきよ水 |
第3局 | 1月30・31日 | 北九州市 小倉城庭園 |
第4局 | 2月13・14日 | 愛知県犬山市 名鉄犬山ホテル |
第5局 | 2月20・21日 | 北海道 洞爺湖温泉・洞爺湖万世閣 |
第6局 | 3月6・7日 | 静岡県小山町 経団連ゲストハウス |
第7局 | 3月13・14日 | 大津市 琵琶湖ホテル |
2人の対戦成績(肩書は当時)
年 | 棋戦名 | 勝ち | 内容 | 負け |
92 | 棋聖戦 最高 | 王九段 | 白番中押し | 柳五段 |
93 | 天元 二次 | 王九段 | 先番2目半 | 柳五段 |
95 | 早碁選手権 | 王九段 | 先番中押し | 柳天元 |
95 | 十段 本戦 | 柳天元 | 白番1目半 | 王九段 |
96 | 本因坊 リーグ | 柳天元 | 先番中押し | 王王座 |
96 | 碁聖 本戦 | 王王座 | 白番1目半 | 柳天元 |
96 | 十段 復活 | 王王座 | 先番2目半 | 柳天元 |
96 | 王座 挑戦1 | 柳天元 | 先番中押し | 王王座 |
96 | 王座 挑戦2 | 柳天元 | 白番中押し | 王王座 |
96 | 王座 挑戦3 | 柳天元 | 先番2目半 | 王王座 |
97 | 名人 リーグ | 柳天元 | 先番中押し | 王九段 |
97 | 本因坊 リーグ | 王九段 | 白番1目半 | 柳天元 |
98 | 名人 リーグ | 王九段 | 白番中押し | 柳七段 |
98 | 本因坊 リーグ | 柳七段 | 先番中押し | 王九段 |
99 | 早碁選手権 | 柳七段 | 白番中押し | 王王座 |
99 | 名人 リーグ | 王王座 | 先番半目 | 柳七段 |
99 | 本因坊 リーグ | 柳七段 | 白番中押し | 王王座 |
00 | 名人 リーグ | 王棋聖 | 先番半目 | 柳七段 |
01 | 碁聖 本戦 | 柳天元 | 白番2目半 | 王棋聖 |
01 | 名人 リーグ | 柳天元 | 先番1目半 | 王棋聖 |
王棋聖の9勝11敗 |