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1/14・15 | 張栩三冠 白番中押し勝ち | |
1/27・28 | 張栩三冠 黒番6目半勝ち | |
2/3・4 | 張栩三冠 白番8目半勝ち | |
2/18・19 | 山下棋聖 白番7目半勝ち | |
2/25・26 | 張栩三冠 白番1目半勝ち | |
第6局 | 3/11・12 | - |
第7局 | 3/17・18 | - |
「大記録かけ 頂上決戦」 ~ 第34期棋聖戦 七番勝負 1月14日から
優勝賞金4500万円に
囲碁界最高のタイトル戦、第34期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)は14日、台湾台北市で開幕する。台北市で棋聖戦が開催されるのは第25期以来、9年ぶり。山下敬吾棋聖(31)に対するのは、棋聖初挑戦となる張栩三冠(29)。5連覇を目指す山下棋聖には名誉棋聖称号の獲得、張三冠には7大タイトル制覇がかかり、どちらが勝っても大きな記録が誕生する。今期から優勝賞金は4500万円にアップする。注目の対戦を小林覚九段(50)と小松英樹九段(42)に展望してもらった。
◆『張さん 勝負師として一枚上』 小林覚
◆『山下さん 体力あり調子いい』 小松英樹
――大きな記録のかかった七番勝負となる。名誉棋聖は藤沢秀行、小林光一九段に続き3人目、七冠制覇は趙治勲二十五世本因坊以来2人目だ。
小林 張さんは昨年、史上初の五冠となり、七冠同時制覇が目標としてあっただろう。名人防衛に失敗し同時はなくなったが、それでもすごい記録だ。山下さんの名誉棋聖も立派。タイトルを守れない時期があったが、気がつけば棋聖4連覇だ。
小松 張さんは最強の挑戦者と言っていい。すごい七番勝負になることは間違いない。
――張三冠が棋聖初挑戦とは意外な感じもする。
小林 張さんは棋聖リーグと名人防衛戦の時期が重なり、体力的にも厳しかったのだと思う。
――2人の過去の対戦成績は張三冠が勝ち越している。タイトル戦も張三冠の4勝2敗。
小松 七番勝負となれば過去の成績は関係ないでしょう。2人が戦ったタイトル戦はいずれも五番勝負で持ち時間が短い。どちらかといえば張さんの得意分野だ。
小林 確かにあまり参考にはならない。七番勝負は時間があるので間違うところが少ない。実は山下さんは早碁の成績がむちゃくちゃ悪い。時間のない碁に不安を持っている。逆に七番勝負には自信を持っている。張さんが時間の短い碁を得意としているのは確かだが、だからと言って七番勝負を苦手としているわけではない。山下さんより七番勝負は多く打っている。勝負師と言っていい。最後に勝ちきる力がある。
――2人の調子はどうか。
小松 張さんは名人戦に負けた後、不調かなと感じる。棋譜から疲れが読み取れる。王座を防衛したが、年末の天元戦は山下さんの挑戦を受け、タイトルを奪われた。これは張さんにとっては痛い。山下さんは調子も気分もいいでしょう。それに棋聖戦となると一段と強くなる。
小林 山下さんにとって棋聖戦は我が家みたいなところがある。いろいろな意味で落ち着いて打てる強みがある。普段より何割か強くなると思った方がいい。張さんは投了が早くなっている。粘りがなく、我慢が利かない碁を打っている。やはり疲れではないか。本調子とは言えない。
――七番勝負の展開をどう予想するか。
小林 この2人では黒番有利。白番で先に勝った方がペースをつかむ。
小松 4連勝のように一方的になることはない。
――それではずばり勝敗を予想してほしい。
小林 4勝2敗で張さん。ただし条件がある。棋聖戦は山下さんのホームであること、長期戦による疲れ、この二つのマイナスを克服することが必要だ。張さんは態勢を整えてくるだろうし、それができる棋士。内容より勝負を求めてくる。勝負師としては張さんが一枚上だ。
小松 私は山下さんが3敗するとは思えない。最近は碁の内容がいい。疲れを知らない体力もある。4勝1敗か2敗で山下さんとみる。
◆「いい碁見せ 名誉棋聖に」 山下敬吾棋聖
張さんは最強の挑戦者。今期は名誉棋聖称号がかかるが、張さんに勝ち、皆さんに納得してもらえるかたちで獲得したい。
張さんは勝負に徹している。自分とはタイプが違う。一時は苦手意識もあったが、今は五分と思っている。過去の成績は気にならない。
調子は悪くない。ここ数年で一番いいかもしれない。一局一局に集中できている。それに1年を通じて体のリズムが棋聖戦に合ってきている。七番勝負は時間に余裕があり、自分に向いている。落ち着いて、いい碁を見せたい。
◇やました・けいご 1978年、北海道旭川市出身。小学2年で史上最年少の小学生名人。93年入段。2000年、第25期碁聖獲得。03年、王立誠棋聖を破り、第27期棋聖。06年、第30期棋聖に返り咲き、以来4連覇。5連覇で名誉棋聖の称号を獲得する。昨年末、天元奪取(2期目)。ほか王座2期。
◆「初のチャンス七冠狙う」 張栩三冠
棋聖は棋士としての目標だった。なかなか挑戦者になれず、悔しい思いをしてきた。初めてつかんだチャンスに、気持ちの高ぶりを感じている。
棋聖を獲得すれば七冠制覇となることは意識している。狙っていきたい。名人を失ったことは不本意なところがあるが、過ぎたことは忘れて、精いっぱい七番勝負を戦いたい。
山下さんは個性がしっかりあるスケールの大きな碁。少し勝ち越しているが、七番勝負は初めてで、過去のデータは意味がない。内容の濃い碁を打ちたい。
◇ちょう・う 1980年、台湾台北市出身。10歳で来日し、林海峰名誉天元に入門。94年入段。2003年、第58期本因坊獲得、2連覇。04年、第29期名人獲得、通算4期。09年、名人、十段、天元、王座、碁聖を保持し、史上初の五冠に。棋聖を獲得すれば2人目の七冠制覇となる。夫人は小林泉美六段。
棋聖戦 過去の勝敗
第34期棋聖戦 七番勝負 日程
対局日 | 対局場 | |
第1局 | 1月14・15日 | 台北市 「ホテル・ロイヤル・タイペイ」 |
第2局 | 1月27・28日 | 名古屋市 「名古屋城茶席」 |
第3局 | 2月3・4日 | 大分県別府市 「ホテル白菊」 |
第4局 | 2月18・19日 | 神戸市 「有馬グランドホテル」 |
第5局 | 2月25・26日 | 静岡県伊豆市 「玉樟園新井」 |
第6局 | 3月11・12日 | 新潟県南魚沼市 「龍言」 |
第7局 | 3月17・18日 | 甲府市 「常磐ホテル」 |
2人のタイトル戦対戦成績(肩書は当時)
棋戦 | 勝ち | 内容 | 負け | |
2004年 | 第52期 王座戦 |
張栩王座 | 3-1 | 山下九段 |
---|---|---|---|---|
2005年 | 第53期 王座戦 |
張栩王座 | 3-0 | 山下天元 |
2006年 | 第54期 王座戦 |
山下棋聖 | 3-1 | 張栩王座 |
2008年 | 第33期 碁聖戦 |
張栩碁聖 | 3-1 | 山下棋聖 |
第53期 王座戦 |
張栩名人 | 3-1 | 山下王座 | |
2009年 | 第35期 天元戦 |
山下棋聖 | 3-2 | 張栩天元 |
Aリーグ
順位 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 5 |
依 田 紀 基 九 段 |
高 尾 紳 路 九 段 |
羽 根 直 樹 本 因 坊 |
王 立 誠 九 段 |
清 成 哲 也 九 段 |
李 沂 修 七 段 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
依田 | - | ● | ○ | ○ | ● | ● |
高尾 | ○ | - | ● | ○ | ○ | ● |
羽根 | ● | ○ | - | ○ | ● | ● |
王 | ● | ● | ● | - | ● | ● |
清成 | ○ | ● | ○ | ○ | - | ○ |
李 | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | - |
成績 | 2 位 |
4 位 |
3 位 |
1 位 |
陥 落 |
陥 落 |
Bリーグ
順位 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 5 |
井 山 裕 太 八 段 |
張 栩 名 人 |
趙 治 勲 二 十 五 世 本 因 坊 |
河 野 臨 九 段 |
宮 沢 吾 朗 九 段 |
秋 山 次 郎 八 段 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
井山 | - | ○ | ○ | ● | ● | ○ |
張 | ● | - | ● | ○ | ● | ● |
趙 | ● | ○ | - | ○ | ● | ○ |
河野 | ○ | ● | ● | - | ● | ○ |
宮沢 | ○ | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
秋山 | ● | ○ | ● | ● | ● | - |
成績 | 4 位 |
1 位 |
陥 落 |
3 位 |
陥 落 |
2 位 |