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1/13・14 | 井山名人 黒番中押し勝ち | |
1/26・27 | 張棋聖 黒番中押し勝ち | |
2/2・3 | 井山名人 黒番1目半勝ち | |
2/17・18 | 張棋聖 黒番半目勝ち | |
2/24・25 | 張棋聖 白番2目半勝ち | |
3/10・11 | 張棋聖 黒番1目半勝ち | |
第7局 | 3/16・17 | - |
「囲碁界ナンバーワン決戦」 ~ 第35期棋聖戦 七番勝負 1月13日から
囲碁界の最高峰、第35期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)は13日、福島県会津若松市で開幕する。張栩棋聖(30)に挑戦するのは井山裕太名人(21)。棋聖と名人が棋聖戦の舞台でぶつかるのは4回目で、文字通り囲碁界ナンバーワンを決める戦いとなる。注目の対戦を石田芳夫二十四世本因坊(62)に展望してもらった。
◆石田二十四世本因坊が展望 棋聖と名人 真っ向勝負
棋聖対名人。これよりすごい組み合わせはない。開幕が待ち遠しいですね。
二人は名人戦七番勝負を2度戦い1勝1敗。最初、張さんは少し余裕をもって臨んだでしょう。しかし井山さんが思いのほか強いのでびっくりしたのではないか。2度目は堂々とやられてしまった。
今回の棋聖戦は決着をつける戦いとなる。プレッシャーは張さんの方が大きいだろう。守る立場だし、年齢が9歳違う。一世代若い相手はやりにくいとしたもの。井山さんは負けても失うものがない。伸び伸びやれる気楽さがある。
井山さんはリーグを順調に勝ち抜いたわけではない。最終戦の山城戦は最後にもたついて危なかった。なんとか勝ちを拾った。挑戦者決定戦の高尾戦は負け碁を逆転したものだった。最近の井山さんには、苦しくても勝ちにつなげるしぶとさ、相手に決め手を与えないうまさが出てきた。
今年の成績は二人ともほぼ2勝1敗ペース。張さんは棋聖を獲得した後、碁聖は失ったが、十段、王座を防衛。立派な成績だ。井山さんは国内ではよく勝ったが、国際戦は振るわなかった。本人も不本意だと思う。
ここのところ共に変身の気配がある。張さんは本来は足早な棋風だが、位の高い碁も志向するようになった。井山さんも安定感をかなぐり捨て、大技を繰り出している。いろいろやってみようということだろう。さらに一段強くなるには、こうした試行錯誤が大切だ。
対戦成績は五分
対戦成績は五分と言える。昨年の名人戦以降、張さんは井山さんに6連敗していたが、最近は2連勝。これは大きい。連敗のまま七番勝負を迎えたくはない。張さんの最大のライバルは四天王ではなく、井山さんになっているのかもしれない。
以前の二人は、最初は間合いを計って終盤勝負のイメージだったが、最近はどっちのパンチが強いかを見せたがっている感じがある。お互いに妥協を嫌うから、中盤が激しくなる。
今回の七番勝負も、真っ向力勝負になるだろう。両者、工夫の布石から早めに戦いに入る。いままでにない碁ができるはず。形勢判断で勝負という図式にはならない。見ている方は手のひらの汗が乾く間もない面白い勝負になる。もちろん細かい寄せ合いもあるだろうが、山あり谷ありの戦いの末のことだ。
この戦いは、今後の囲碁界の地図をつくるものになるはずだ。
張さんに底力で防衛してほしいような、井山さんに若い力で時代を切り開いてほしいような――。相当の確率で最終第7局まで行くだろう。どっちが勝っても4勝3敗。最後の1勝を決めるのは運と言うしかない。運を呼び込むのも実力のうちだから。
◆「万全の状態で臨む」 張栩棋聖
この1年、棋聖であったことを光栄に思っている。心を熱くし、すべてをかけた戦いの結果として、最高のタイトルを獲得できたことで精神的にずいぶん楽になった。負けることを前ほど恐れなくなった。心に余裕ができたのだと思う。
井山名人は一番強い挑戦者。発想が豊かで、弱点がない。年齢以上の落ち着きを備えている。最も打ちたい相手であるし、最も打ちたくない相手だ。
名人防衛戦では一方的にやられ、その後も連敗してしまったが、ここのところは2連勝で流れは変わってきている。自分も進化している。平常心で臨むことが大切だと思っている。
七番勝負は自分を成長させてくれる。早碁とは一手の重みが違う。万全の状態で臨み、悔いのない戦いをしたい。自分の力を出し切れば、最高に面白い七番勝負をお見せできると思っている。
◇ちょう・う 1980年、台湾・台北市出身。10歳で来日。94年入段。2003年、本因坊獲得、2連覇。04年、名人獲得、通算4期。09年、十段を奪取し、すでに保持していた名人、天元、王座、碁聖とあわせて、史上初の五冠に。10年、棋聖獲得により、趙治勲二十五世本因坊に続き、史上2人目の七大タイトル制覇を達成する。現在は十段、王座も保持。夫人は小林泉美六段。
◆「自分らしい碁打つ」 井山裕太名人
棋聖は囲碁を始めたころからのあこがれ。最初に入ったリーグでもあり、縁を感じる。挑戦者となって身の引き締まる思いだ。最高の舞台で七番勝負が打てる喜びを感じている。
七番勝負は自分に向いていると思う。普段は割り切ってしまうところも、じっくり読める。 張棋聖の碁は、読みも形勢判断もスピード感がある。そして正確だ。日本で一番強い棋士。最近は位の高い碁も打っており、さらにパワーアップした感じだ。自信があるから打てるのだろう。
自分の碁の特徴は反発精神。相手の言いなりにはなりたくない。張棋聖もそう。お互いに反発し合い、ちょっとしたところから戦いになる。名人戦では迷った時は厳しい手を選んだが、今回もそうする。競り合いが最後まで続く気の抜けない戦いになると思う。自分らしい碁を打つに尽きる。
◇いやま・ゆうた 1989年、大阪府東大阪市出身。5歳の時、テレビゲームで碁を覚え、97年、小学2年で小学生名人、翌年連覇。02年入段。05年、全日本早碁オープン戦優勝。16歳4か月で、史上最年少での棋戦優勝だった。07年、17歳10か月で棋聖リーグ入り。これも史上最年少のリーグ入り記録。08年、張栩名人に挑戦するが敗退。翌年、名人奪取、連覇。
棋聖戦 過去の勝敗
第35期棋聖戦 七番勝負 日程
対局日 | 対局場 | |
第1局 | 1月13・14日 | 福島県会津若松市 「今昔亭」 |
第2局 | 1月26・27日 | 北海道伊達市 「第ニ名水亭」 |
第3局 | 2月2・3日 | 富山県氷見市 「氷見グランドホテルマイアミ」 |
第4局 | 2月17・18日 | 兵庫県宝塚市 「宝塚ホテル」 |
第5局 | 2月24・25日 | 新潟県南魚沼市 「龍言」 |
第6局 | 3月10・11日 | 山梨県甲府市 「常磐ホテル」 |
第7局 | 3月16・17日 | 静岡県伊豆市 「玉樟園新井」 |
2人の最近の対戦成績(肩書は当時)
棋戦 | 勝ち | 負け | ||
2008年 | 名人戦 七番勝負 |
井山八段 | 張名人 | |
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同 | 井山八段 | 張名人 | ||
同 | 張名人 | 井山八段 | ||
同 | 張名人 | 井山八段 | ||
同 | 張名人 | 井山八段 | ||
同 | 井山八段 | 張名人 | ||
同 | 張名人 | 井山八段 | ||
2009年 | 棋聖 リーグ |
張名人 | 井山八段 | |
竜聖戦 | 井山八段 | 張名人 | ||
名人戦 七番勝負 |
張名人 | 井山八段 | ||
同 | 井山八段 | 張名人 | ||
同 | 井山八段 | 張名人 | ||
同 | 井山八段 | 張名人 | ||
同 | 井山八段 | 張名人 | ||
本因坊 リーグ |
井山名人 | 張十段 | ||
2010年 | NHK杯 | 井山名人 | 張十段 | |
天元戦 | 張棋聖 | 井山名人 | ||
本因坊 リーグ |
張棋聖 | 井山名人 | ||
通算は張棋聖の14勝11敗 |
Aリーグ
順位 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 5 |
山 下 敬 吾 本 因 坊 |
依 田 紀 基 九 段 |
河 野 臨 九 段 |
高 尾 紳 路 九 段 |
王 銘 エ ン 九 段 |
加 藤 充 志 八 段 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
山下 | - | ● | ● | ○ | ● | ● |
依田 | ○ | - | ● | ○ | ● | ○ |
河野 | ○ | ○ | - | ○ | ● | ○ |
高尾 | ● | ● | ● | - | ● | ● |
王 | ○ | ○ | ○ | ○ | - | ● |
加藤 | ○ | ● | ● | ○ | ○ | - |
成績 | 2 位 |
3 位 |
陥 落 |
1 位 |
陥 落 |
4 位 |
Bリーグ
順位 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 5 |
王 立 誠 九 段 |
秋 山 次 郎 八 段 |
羽 根 直 樹 九 段 |
井 山 裕 太 名 人 |
山 城 宏 九 段 |
柳 時 熏 九 段 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
王 | - | ○ | ● | ○ | ○ | ○ |
秋山 | ● | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
羽根 | ○ | ● | - | ● | ○ | ● |
井山 | ● | ● | ○ | - | ● | ● |
山城 | ● | ● | ● | ○ | - | ● |
柳 | ● | ● | ○ | ○ | ○ | - |
成績 | 陥 落 |
陥 落 |
3 位 |
1 位 |
2 位 |
4 位 |