棋聖戦ライブ中継

第37期棋聖戦挑戦手合七番勝負 張栩棋聖 vs 井山裕太本因坊
井山・新棋聖誕生、 史上初の六冠!

ライブ中継はこちらから

第1局

1/17・18 井山本因坊 白番5目半勝ち

第2局

1/31・2/1 井山本因坊 黒番中押し勝ち

第3局

2/6・7 張棋聖 黒番中押し勝ち

第4局

2/21・22 張棋聖 白番中押し勝ち

第5局

2/27・28 井山本因坊 白番中押し勝ち

第6局

3/13・14 井山本因坊 黒番中押し勝ち
第7局 3/21・22 -

頂上決戦 張栩棋聖 狙うは4連覇 × 井山裕太本因坊 史上初6冠へ 第37期棋聖戦 七番勝負 1月17日から

対局者の師 展望語る

 囲碁界最高のタイトル戦、第37期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)は17日、那覇市で開幕する。4連覇を目指す張栩棋聖(32)に対するのは、史上初の六冠、そして7大タイトル制覇を狙う井山裕太本因坊(23)。文字通りの頂上決戦の行方を、両対局者の師である林海峰名誉天元(70)と石井邦生九段(71)に展望してもらった。

◆『最後の砦流れ変える』 林名誉天元
◆『魂のぶつかり合いを』 石井九段

七番勝負を展望する石井九段(左)と林名誉天元
七番勝負を展望する石井九段(左)と
林名誉天元

 ――井山本因坊は現在五冠。絶好調と言える。張栩棋聖の調子をどう見ているか。
 林  井山さんはバランスが取れた碁だったが、最近はパワーで相手をなぎ倒してしまう碁が印象に残る。
 石井 張さんにはずいぶん負かされていたが、昨年は井山の8勝1敗。張さんを目標にしていたので、胸を借りて思い切って打つことがいい結果につながっているのではないか。
 林 張君は井山さんに負けがこんでいるから、相当意識していると思う。一世代若いから、負けると盛り返すのが大変だということは自覚しているでしょう。最近はよく勝っていて、棋聖戦に向けて調子を上げている。ところで、井山さんは結婚してから充実しているね。
 石井 婚約を発表して十段を防衛し、結婚して本因坊、碁聖、王座とタイトルを取った。年末に披露宴を行ったので、この先はどうなるのか。林さんはどうでした?
 林 僕の場合、結婚したのは29歳でしたが、タイトルを取られたので、変化を求めたところがある。それからけっこう勝ったんだ。
 石井 やっぱり良かったんだ。

 ――2人の碁を見ていて変化を感じるところは。
 林 張君は足早で形勢判断が明るい碁だったけど、厚みの碁も打つようになった。工夫しなければいけないという心境だったのだろう。新たな一面が出てきて碁の幅が広くなればと思う。
 石井 井山はオールラウンドプレーヤー。入段の頃に柔軟な攻めを会得して成績が上がったが、力を殺して戦っているところがあった。中国や韓国の棋士と対戦していて意識が変わってきたのか、すごい力を出して戦っている。それが好調の要因でしょうか。

 ――師匠としては気が気でないところですか。
 石井 形勢がいいのに危ない手を打っているのでドキドキすることもあるが、本人は最強手を打って負けたら仕方がないと思っているのではないか。

 ――この七番勝負、どんな展開になるでしょう。
 林 張君にとっては棋聖は最後の砦。背水の陣のつもりで、流れを変えようとすると思う。2日制の碁だと工夫するゆとりもある。でも、井山さんもけっこうやるからね。
 石井 2人とも意外性があってびっくりする手を布石からやってくると思います。
 林 度胸があるよね。
 石井 控室の予想は当たることが多いのですが、この2人だけは分からない。
 林 張君はコウが好きです。コウのフリカワリを考えながら、全体の形勢を兼ね合わせる頭の柔らかさがあって、そこは自信を持っている部分だと思う。
 石井 井山も張さんの影響でコウをよくやっています。高尾紳路九段との挑戦者決定戦でも、形勢が悪かった碁をコウ争いの中で逆転した。
 林 2人の勝負ではすんなりいく感じはない。打ち合いになるのではないかな。

 ――息の抜けない戦いになりそうですね。
 林 たまにはきれいな碁も見せてもらいたいけどね。
 石井 悪手がないのも名局ですが、魂のぶつかり合いを見せてほしいと思います。

◆「新しい打ち方試す」 張栩 棋聖

張栩棋聖

 井山さんにはここのところ、相当悪い。追い詰められていると言ってもいい。一局一局を大切に打ち、まず1勝して流れをつかみたい。挑戦者の気持ちで臨む。

 井山さんは読みの精度のレベルが高い。秒読みになってもその精度を保っているところがすごい。昨年は手が付けられない強さだった。王座戦はチャンスもあったが、終わってみれば完敗。2年前の棋聖戦は勝つことができたが、内容はだめだった。運が良かった。

 今、新しい打ち方を考えている。それを試してみたい。長い間、守る立場にいたが、これからは負ける恐れを捨て、取られたら取り返す気持ちで戦う。

 棋聖戦は最高の舞台であり、それに恥じない、見ていてわくわくするような勝負にしたい。この七番勝負で新しい張栩をお見せするつもりだ。体調を整え、できることはすべてやって開幕を迎えたい。

 ◇ちょう・う 1980年、台湾・台北市出身。林海峰・名誉天元門下。10歳で来日。94年入段。2003年、本因坊獲得、2連覇。04年、名人獲得、通算4期。09年、名人、十段、天元、王座、碁聖を保持し、史上初の五冠となる。10年、山下敬吾棋聖から棋聖位を奪取し、趙治勲二十五世本因坊に続いて史上2人目の7大タイトル制覇。夫人は小林泉美六段。昨年の成績は28勝22敗。

◆「最善手、最強手探る」 井山裕太 本因坊

井山裕太本因坊

 前回の挑戦の際は、精いっぱいやったが、結果が出なかった。張栩さんの強さを感じたシリーズだった。自分に足りないものがあった。2年たって、碁も精神的にも少しは成長した。それを今期七番勝負で見せたい。

 五冠は意識していなかった。周囲から期待を寄せられ、王座戦挑戦者になって考えるようになった。五冠となったことは光栄であり、自信につながった。

 碁が荒っぽくなったと言われるが、張栩さんの影響が大きい。タイトル戦を重ねる中で、優勢でも簡単には勝たせてもらえず、気が緩むとすぐにだめになることを学んだ。幸い、負ける寸前までいってもベストを尽くせばいい結果につながっている。その局面での最善手、最強手を打とうと心がけている。

 六冠や7大タイトル制覇は、チャンスがそう巡ってくることはない。力を出し切って狙っていく。

 ◇いやま・ゆうた 1989年、大阪府東大阪市出身。石井邦生九段門下。小学2年で小学生名人、翌年連覇。2002年入段。05年、16歳4か月で全日本早碁オープン戦に優勝、棋戦優勝の最年少記録を塗り替える。09年、名人獲得、2連覇。12年、本因坊、王座、碁聖を獲得、天元、十段を防衛し、史上2人目の五冠。同年、将棋の女流初段、伊緒さんと結婚。昨年の成績は51勝12敗。

棋聖戦 過去の勝敗

第37期棋聖戦 七番勝負 日程

  対局日 対局場
第1局 1月17・18日 沖縄県那覇市 「沖縄ハーバービュー ホテルクラウンプラザ」
第2局 1月31日・2月1日 山形県南陽市
「瀧波」
第3局 2月6・7日 富山県富山市
「オークスカナルパークホテル富山」
第4局 2月21・22日 香川県坂出市
「坂出グランドホテル」
第5局 2月27・28日 静岡県熱海市
「熱海後楽園ホテル」
第6局 3月13・14日 静岡県伊豆市
「玉樟園新井」
第7局 3月21・22日 山梨県甲府市
「常磐ホテル」

2人のタイトル戦成績(肩書は当時)

2008年 第33期
名人戦
七番勝負
張栩
名人
4-3 井山裕太
八段
2009年 第34期
名人戦
七番勝負
井山裕太
八段
4-1 張栩
名人
2011年 第35期
棋聖戦
七番勝負
張栩
棋聖
4-2 井山裕太
名人
第49期
十段戦
五番勝負
井山裕太
名人
3-2 張栩
十段
2012年 第50期
十段戦
五番勝負
井山裕太
十段
3-1 張栩
棋聖
第60期
王座戦
五番勝負
井山裕太
本因坊
3-0 張栩
王座
通算成績は張栩棋聖の21勝25敗

Aリーグ

順位
 




































高尾 -
山下 -
-
河野 -
小林 -
-
成績





Bリーグ

順位
 




































井山 -
依田 -
羽根 -
山城 -
淡路 -
溝上 -
成績