棋聖戦ライブ中継

第39期棋聖戦挑戦手合七番勝負 井山裕太棋聖 vs 山下敬吾九段
井山棋聖が防衛 3連覇達成!

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第1局

1/15・16 井山棋聖 黒番半目勝ち

第2局

1/29・30 井山棋聖 白番中押し勝ち

第3局

2/5・6 井山棋聖 黒番1目半勝ち

第4局

2/19・20 山下九段 黒番2目半勝ち

第5局

2/25・26 山下九段 白番中押し勝ち

第6局

3/11・12 山下九段 黒番中押し勝ち

第7局

3/19・20 井山棋聖 黒番5目半勝ち

第39期棋聖戦七番勝負 激闘必死 頂上決戦

 囲碁の最高峰、第39期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)は15日、大阪市で開幕する。3連覇を目指す井山裕太棋聖(25)に棋聖在位5期の山下敬吾九段(36)が前期に続いて挑戦する。文字通りの黄金カード。井山棋聖は昨年末、王座、天元を相次いで失って四冠に後退、正念場の防衛戦となる。山下挑戦者は「勝ちに行く」と宣言。激闘必至の頂上決戦を河野臨九段(33)が展望する。 (2019年1月7日読売新聞掲載)

◆河野臨九段の展望 最終局まで行くのでは

河野臨九段
昨年、碁聖戦、名人
戦で井山棋聖に挑戦
し、ともに惜敗。
3大リーグで山下挑
戦者と対戦。両者の
強さを最も知る河野
九段

 最高の組み合わせです。素晴らしい七番勝負になるでしょう。

 井山さんはどんどん仕掛けていく碁で、山下さんはどんな仕掛けにも妥協しないで堂々と立ち向かう。すごくかみ合うんです。優勢でもゆるまず、形勢が悪くても戦いに持っていくうまさがある点も共通している。

 私は昨年、井山さんと12局、山下さんと6局対戦しました。どちらもダブルスコア(4勝8敗、2勝4敗)で負けてしまいました。

 井山さんは、厳しい碁だという印象は変わっていません。常に頑張った手を打ちたいという気持ちと、それを支える正確な読みがある。秒読みの中でミスが出る場面もありますが、序盤から時間を使って、秒読みで打っている時間が長いからでしょう。

 発想がすごく豊かです。対戦していると、本当に気がつかない手を打ってくる。前半で消費時間を使うことが多いのは、序盤からいろいろな手を考えて、読む量が多いからでしょう。

 もちろん早碁もべらぼうに強いのですが、井山さんのスタイルには持ち時間が長い碁が合っていると思います。

 名人戦七番勝負を戦って感じたのですが、2日制の碁はいい集中を続けることが大事。技術はもちろんですが、気力、体力も求められる。井山さんは序盤であれだけ考えても、終盤になってもいっこうに疲れを見せない。その点でも第一人者だと思います。

 山下さんは剛腕という言葉が一番似合う棋士です。狙いが大きくて、碁盤全体を使って考える。そのスケールの大きさが素晴らしい。どうしても力勝負になるので、読み負けると一瞬で斬られてしまうような感覚があります。

 リーグ戦で対戦していても安定感はピカイチ。本因坊戦、名人戦では挑戦を逃しましたが、3大棋戦すべてで挑戦していてもおかしくない成績でした。すべてにおいて高いレベルにあります。

 以前は流行の布石は打たないようなところがありましたが、今は位の低い布石を打つことも多い。自分の良さを保ちながら、現代の碁の厳しさを取り入れている。攻めの強さだけでなく、幅が広くなって、より円熟した印象を受けます。スケールの大きな碁で、構想をまとめるのが難しいだけに、井山さんと同じように持ち時間が長い勝負は水が合っています。

 どちらも極端に調子を落としているようには見えません。井山さんは現時点で最強の棋士ですが、山下さんの力が劣っているとも思えない。

 勝敗の予想はつきませんが、最終局まで行くのではないかと思います。2人の碁を見たい、という願望も込めて。

◆正念場 全力で  棋聖 井山裕太

井山裕太棋聖

 さすが山下さんです。挑戦権をしっかりとものにしてきた。本因坊戦、名人戦と惜しい形で挑戦を逃していたので、棋聖戦は絶対に挑戦者になる、という執念と気迫を感じました。

 力強さがクローズアップされることが多いですが、最近は勝負にからくなって、負けにくい手を選ぶことが増えた印象を受けます。安定感もあります。

 自分の碁は激しさを増したとよく言われますが、厳しい相手になるほど、少しも妥協できないという思いがあるからかもしれません。これが今の自分のスタイルだと思っています。

 山下さんは持ち時間が長くなれば長くなるほど力を発揮するタイプ。当然、厳しい戦いになるでしょう。

 昨年末に二つタイトルを失いました。その意味で、今期の棋聖戦は正念場であり、今まで以上に大事な防衛戦になると思っています。七番勝負は大変ですが、一番の修業の場。自分のすべてを出し尽くすつもりです。もう気持ちは切り替わっています。

 ◇いやま・ゆうた 1989年、大阪府東大阪市出身。小学2年で小学生名人。2002年入段。16歳で全日本早碁オープン戦に優勝。棋戦優勝の最年少記録。一昨年、棋聖獲得で本因坊、天元、王座、碁聖、十段とあわせて史上初の六冠。その後、十段を失ったが、名人奪取で史上2人目の大三冠となり六冠復帰。昨年末に王座、天元を失い四冠に。夫人は将棋女流二段、伊緒さん。

◆「スタート」大事  挑戦者 山下敬吾

山下敬吾九段

 昨年はそれなりの勝率ですが、本因坊戦、名人戦で肝心なところで負け、自慢できない成績です。どこかで気が緩んでいたのでしょうか。その分、ショックも大きかった。体調は悪くありません。健康管理によく歩いている。目的地は決めずに足のむくままです。

 井山さんにはやられています。本因坊、名人を持って行かれ、棋聖戦でも敗れました。やはりスキがない。序盤も中盤も終盤もしっかりしている。

 しかし最近は少しおかしい。予定通りにいっていない感じがある。破竹の勢いから勝ったり負けたりになっている。疲れもあるでしょう。対局ばかりではなく公務も多い。

 七番勝負で情けない手を打った時は恥ずかしいし、そんな恥をかかないようにというプレッシャーもある。ひっくるめて素晴らしい舞台。前期の挑戦はスタートが悪かったので、今回は気をつけたい。研究し、自信を持って臨みたい。楽しみながら勝ちにいきたい。

 ◇やました・けいご 1978年、北海道旭川市出身。小学2年の時、史上最年少で小学生名人。この記録はいまも破られていない。翌年、上京し、緑星学園で学ぶ。93年入段。2000年、碁聖獲得で初タイトル。03年、第27期棋聖戦を制し、史上最年少の棋聖。これは一昨年、井山棋聖に塗り替えられる。06年、第30期棋聖戦で棋聖を奪還、4連覇。名人2期、本因坊2期。

棋聖戦 過去の勝敗

第39期棋聖戦 七番勝負 日程

  対局日 対局場
第1局 1月15・16日 ウェスティンホテル大阪
(大阪市)
第2局 1月29・30日 八戸パークホテル
(青森県八戸市)
第3局 2月5・6日 ベラビスタ境ガ浜
(広島県尾道市)
第4局 2月19・20日 明治村・坐漁荘
(愛知県犬山市)
第5局 2月25・26日 常磐ホテル
(甲府市)
第6局 3月11・12日 玉樟園新井
(静岡県伊豆市)
第7局 3月19・20日 温泉御宿 龍言
(新潟県南魚沼市)

2人の過去の挑戦手合(肩書は当時)

2011年 第36期
名人戦
七番勝負
山下敬吾
本因坊
4-2 井山裕太
名人
2012年 第67期
本因坊戦
七番勝負
井山裕太
天元
4-3 山下敬吾
本因坊
2013年 第38期
名人戦
七番勝負
井山裕太
棋聖
4-1 山下敬吾
名人
2014年 第38期
棋聖戦
七番勝負
井山裕太
棋聖
4-2 山下敬吾
九段
通算成績は井山棋聖の21勝14敗

Aリーグ

順位
 



































山下 -
高尾 -
山城 -
羽根 -
河野 -
一力 -
成績





Bリーグ

順位
 





































村川 -
依田 -
-
小林 -
結城 -
-
成績