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1/14・15 | 井山棋聖 白番中押し勝ち | |
1/28・29 | 井山棋聖 黒番2目半勝ち | |
2/1・2 | 井山棋聖 白番中押し勝ち | |
2/17・18 | 井山棋聖 黒番中押し勝ち | |
第5局 | 2/24・25 | - |
第6局 | 3/10・11 | - |
第7局 | 3/16・17 | - |
第40期棋聖戦七番勝負 ぶつかり合う魂
◆史上初の七冠に前進 VS 7年ぶりの王者奪還
囲碁の頂上決戦、第40期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)は14日、福島県会津若松市で開幕する。井山裕太棋聖(26)に山下敬吾九段(37)が3年連続で挑戦する。井山棋聖が史上初の七冠制覇に前進するのか、山下九段が7年ぶりに王者に返り咲くのか。注目のシリーズを今村俊也九段(49)に展望してもらった。
◆今村俊也九段 展望語る 初戦が勝負 激戦必至
魂と魂がぶつかり合うすごい戦いになるでしょう。棋士の一人として開幕が待ち遠しい。いまからもうドキドキしています。
棋聖戦は今期から予選システムが変わりました。リーグ戦が4段階になり、参加者はこれまでの5倍以上に増えた。特に若手にとって励みになる仕組みです。
その中で、山下さんは3年連続の挑戦を決めた。実力からすれば当然でしょう。力強さはもちろんのこと、戦う前の判断力が素晴らしい。イメージ力がある。
井山さんの強さは手が付けられない感じ。この1年は危なげがなかった。山下さんとも真正面からの戦いを避けない。相手の得意なところでもひるまないのは立派。力を付けている証拠です。優勢でも最強の手にこだわる。緩むということを知らない。以前、勝ちやすい手を首をかしげながら打つのを見たことがあります。ふがいない思いだったのでしょう。それが常に最善手を求める姿勢につながっているのだと思います。
初戦が勝負。井山さんはいつも通り自然体でしょう。山下さんがどう作戦を立てていくのか。そこに注目したい。
どちらも売られたケンカは堂々と買うタイプ。激戦は必至です。井山さんの中盤の感覚、構想力はすごい。井山さんのペースで戦いに引きずり込まれては山下さんも大変です。私なりの考えですが、山下さんは辛抱の碁で、井山さんの仕掛けを封じてはどうか。勝負を最後まで長引かせてチャンスを待つ作戦です。
初戦に勝った方がシリーズの主導権を握ると見ています。
◆新たな自分見せる責任 棋聖 井山裕太
やはり山下さんが出てきました。最強の挑戦者です。
初戦を大事にしたい。一昨年と昨年は3連勝の後、連敗しました。反省すべきところがあります。山下さんは他の人にはない粘りとしぶとさがある。追い込まれると思い切りの良さ、大胆さが出てきます。スタートダッシュで、その力を封じることが必要だと思っています。山下さんもそれは十分承知でしょう。
昨年は最終第7局に勝ち、防衛することができました。タイトルを二つ失った後だったので、これで楽になれたし、立ち直ることができました。それが六冠復帰につながったと思っています。
七冠は究極の目標。狙っていきたい。体調はいい。心技体、それぞれ最高の状態です。
毎年、棋聖戦を戦う者の責任として、常に新しいことを試し、新たな自分を見せる責任があります。まだまだ進化中なのですから。
◇いやま・ゆうた 1989年、大阪府東大阪市出身。石井邦生九段門下。小学2年で小学生名人。2002年入段。16歳で全日本早碁オープン戦に優勝、棋戦優勝の最年少記録を塗り替える。13年、棋聖を獲得し、本因坊、天元、王座、碁聖、十段とあわせて史上初の六冠。その後、十段を失ったが、名人奪取で史上2人目の大三冠となり、六冠復帰。一昨年、王座、天元を奪われたが、奪還を果たし再び六冠に。
◆伸び伸びと打ちたい 九段 山下敬吾
井山さんは絶好調です。苦しい碁、負けそうな碁でも逆転してしまう。厳しく打ち、失敗しても立て直す強さに磨きがかかっています。
七冠という独り勝ちは食い止めたい。昨年はタイトル戦で三度敗れ、調子づかせてしまった。責任を感じています。だから自分で止めたい。
昨期の棋聖戦は3連敗3連勝の展開でしたが、勝った碁はうまく打てている。自分がちゃんと打てれば、やれると思っています。そのためにはミスをなくさなければ。数年タイトルを持っていないせいか、タイトル戦になると「取りたい」と力が入ってしまう。伸び伸びとした碁を1局目から打ちたい。
井山さんが仕掛けてくる碁が多いので、こちらから積極的にいくことも考えています。3年連続の挑戦。そろそろ棋聖位を取り戻したいという気持ちは強い。対局ですべての力を出し切りたい。
◇やました・けいご 1978年、北海道旭川市出身。小学2年の時、史上最年少で小学生名人。この記録はいまも破られていない。翌年、上京し、緑星学園で学ぶ。93年入段。2000年、碁聖獲得で初タイトル。03年、第27期棋聖戦を制し、史上最年少の棋聖となる。これは井山棋聖に塗り替えられる。06年、第30期棋聖戦で棋聖を奪還、4連覇。名人2期、本因坊2期。第38、39期棋聖戦七番勝負で井山棋聖に連続挑戦したが敗退。
棋聖戦 過去の勝敗
第40期棋聖戦 七番勝負 日程
対局日 | 対局場 | |
第1局 | 1月14・15日 | 今昔亭 (福島県会津若松市) |
第2局 | 1月28・29日 | 望湖楼 (鳥取県湯梨浜町) |
第3局 | 2月1・2日 | 華水亭 (鳥取県米子市) |
第4局 | 2月17・18日 | 北海道ホテル (北海道帯広市) |
第5局 | 2月24・25日 | 熱海後楽園ホテル (静岡県熱海市) |
第6局 | 3月10・11日 | 龍言 (新潟県南魚沼市) |
第7局 | 3月16・17日 | 常磐ホテル (甲府市) |
2人のタイトル戦成績(肩書は当時)
2011年 | 第36期 名人戦 七番勝負 |
山下敬吾 本因坊 |
4-2 | 井山裕太 名人 |
---|---|---|---|---|
2012年 | 第67期 本因坊戦 七番勝負 |
井山裕太 天元 |
4-3 | 山下敬吾 本因坊 |
2013年 | 第38期 名人戦 七番勝負 |
井山裕太 棋聖 |
4-1 | 山下敬吾 名人 |
2014年 | 第38期 棋聖戦 七番勝負 |
井山裕太 棋聖 |
4-2 | 山下敬吾 九段 |
2016年 | 第39期 棋聖戦 七番勝負 |
井山裕太 棋聖 |
4-3 | 山下敬吾 九段 |
第70期 本因坊戦 七番勝負 |
井山裕太 本因坊 |
4-1 | 山下敬吾 九段 |
|
第40期 碁聖戦 五番勝負 |
井山裕太 碁聖 |
3-1 | 山下敬吾 九段 |
|
通算成績は井山棋聖の32勝19敗 |
リーグ戦結果
Sリーグ
順位 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
山 下 敬 吾 九 段 |
村 川 大 介 王 座 |
高 尾 紳 路 天 元 |
依 田 紀 基 九 段 |
山 城 宏 九 段 |
小 林 覚 九 段 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
山下 | - | ● | ● | ● | ○ | ● |
村川 | ○ | - | ● | ○ | ● | ● |
高尾 | ○ | ○ | - | ○ | ● | ● |
依田 | ○ | ● | ● | - | ○ | ● |
山城 | ● | ○ | ○ | ● | - | ○ |
小林 | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | - |
成績 | 優 勝 |
2 位 |
4 位 |
3 位 |
降 級 |
降 級 |
Aリーグ
優勝 | 河野臨九段(昇級) |
---|---|
昇級 | 一力遼七段 |
残留 | 張豊猷八段、張栩九段 |
降級 | 趙治勲二十五世本因坊、結城聡九段、羽根直樹九段、溝上知親九段 |
Bリーグ
優勝 | 山田規三生九段(昇級) |
---|---|
昇級 | 淡路修三九段、柳時熏九段、蘇耀国九段 |
残留 | 王銘エン九段、瀬戸大樹七段、鶴山淳志七段、清成哲也九段、金秀俊八段、黄翊祖八段 |
降級 | 坂井秀至八段、苑田勇一九段、林漢傑七段、志田達哉七段、河英一六段、鈴木嘉倫七段 |
Cリーグ
優勝 | 許家元三段(昇級) |
---|---|
昇級 | 秋山次郎九段、余正麒七段、伊田篤史十段、趙善津九段、王立誠九段 |
残留 | 大橋成哉七段、六浦雄太二段、伊藤優詩三段、中小野田智己九段、潘善キ八段、新垣朱武九段、酒井真樹八段、洪清泉二段、中野寛也九段、今村俊也九段 |
降級 | 孔令文七段、村松大樹五段、小松英樹九段、畠中星信四段、安田泰敏九段、柳沢理志四段、安斎伸彰七段、大場惇也七段、中野泰宏九段、小県真樹九段、鈴木歩六段、彦坂直人九段、富士田明彦四段、藤井秀哉七段、河野貴至八段、孫喆三段 |