第４０期棋聖リーグが４月１６日開幕する。今期から棋聖戦は大きく変わり、リーグはＳ、Ａ、Ｂ、Ｃの４段階となり、挑戦者はＳ優勝者、準優勝者とＡ、Ｂ、Ｃ優勝者の挑戦者決定トーナメントで決まる。３連覇を決めた井山裕太棋聖（２５）への挑戦権をかけて、新たな戦いが始まる。開幕局はＡリーグの溝上知親九段―一力遼七段戦とＢリーグの３局。新棋聖戦への期待とリーグの展望を大竹英雄名誉碁聖（７２）に語ってもらった。 （２０１５年４月１１日読売新聞掲載）

◆総枠６２の４段階　厳しい昇降級

　新棋聖戦はより刺激的で魅力ある棋戦とするため、主催する日本棋院、関西棋院、読売新聞社が協議し、合意した。特徴と仕組みは以下の通り。

　【アマ参戦】
　Ｃリーグ入りをかけた棋士約４００人による予選トーナメントは昨年１１月にスタートし、現在も続いている。このトーナメントにアマチュア４人が出場した。第１回ネット棋聖戦の上位４人で、全員が１回戦を突破、２回戦で敗れた。アマ碁界活性化のため、３大棋戦で初めてアマチュアに道をひらいた。ネット棋聖戦は第２回大会が開催されている。 （2015年4月11日現在）

　【４段階リーグ】
　今期のリーグメンバーは前期リーグと過去３年間の棋聖戦の成績をもとに決められた。Ｓリーグは前期リーグの上位６人。トップ中のトップがせめぎ合う。
　Ｓ及びＡ、Ｂリーグは総当たり戦。Ｂは１組と２組の１位同士が優勝決定戦を戦う。Ｃリーグは５回戦制。勝者同士が当たる仕組みで、最後に４勝０敗の２人が対戦し、勝者が優勝者となる。
　リーグ間の昇降級は厳しく、Ａ、Ｃは半数が降格する"ジェットコースターリーグ"となる。

　【挑戦者決定トーナメント】
　これまではＣ予選―Ｂ予選―Ａ予選―最終予選と一段ずつ勝ち上がってリーグ入りし、さらにリーグ優勝して挑戦者となる仕組みだった。リーグの枠は１２。挑戦者に至るには長い道のりが必要だった。
　４段階リーグとなったことで、リーグの総枠は６２に拡大。Ｃリーグ優勝で挑戦者決定トーナメントに進出し、一気に頂上を目指すことができる。チャンスが大きくふくらむ。
　トーナメントは変則で、最後はＳリーグ優勝者と勝ち上がり者による三番勝負。Ｓ優勝者には１勝のアドバンテージが与えられる。
　七番勝負は従来通り開催される。