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岡目八目

マイケル・レドモンドさん
読売新聞 2015/01/13掲載
マイケル・レドモンドさん

(2)漢字の勉強 ルビ付き漫画で(寄稿連載)

 内弟子生活の中で日常会話には困らなくなりましたが、本を読んでいて難しい漢字が出て来ると、意味が分かりません。漢字の勉強をしたといっても、小学3年までのものですから仕方がありません。
 それがかなり分かるようになったのは、藤沢秀行先生が薦めてくれた三国志を読んだことでした。中国の地名や人名は日本人の読者でも難しいですから、漢字にルビが振ってあるのです。読みやすくて助かりました。それに漫画もよく読みました。これもルビが振ってありますから、漢字の勉強になりました。
 内弟子生活の中で日本食も好きになりました。なにしろ食べ物を残すと叱られるのです。残した分の倍の量を盛られて、食べないと許してくれません。そういう有無を言わさぬ方針のおかげで、自然と日本文化になじむことができたのだと思います。日本の生活で苦労した実感はありません。大変だったのは、碁が弱かったことだけです。
 14歳で院生になり、初めは序列が19番目だったのですが、すぐ60番目くらいに下がってしまいました。19番まで戻るのに半年くらいかかりました。
 プロになると、急に先生と呼ばれて、初めは戸惑いました。天狗(てんぐ)になったのは若気の至りです。実力は伴っていなかったでしょう。
 いろいろな先輩の影響を受けましたが、宮沢吾朗九段には、厳しく教わりました。漫然と定石を打つと怒られるのです。ふだんは優しい先生で慕われているのですが、怒ると怖いのですよ。おかげで力がついたと思います。日本での生活も、棋士としての成長も、多くの方にお世話になりました。
(囲碁棋士九段)
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