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岡目八目

マイケル・レドモンドさん
読売新聞 2015/01/27掲載
マイケル・レドモンドさん

(4)日本は棋風も年代も多士済々(寄稿連載)

 日本の碁は江戸時代に研究が進んで、今に通じるスタイルが作り上げられました。本因坊道策の完成度は高く、現代の碁に引けを取りません。昔の碁が余りにも素晴らし過ぎたため、現代までそれをなぞって来たところもあり、そのためかえって低迷した時期があったと思います。
 中国や韓国は歴史的に一度途切れていますから、ゼロからスタートしたようなものです。固定観念がない分、新しいものを作るのに迷いがなかった。それが大躍進を支えたのではないでしょうか。
 序盤や布石をグループで研究して理詰めで積み上げてきます。それを実戦でとことん試して結論を出してしまう。持ち時間の短い碁では有効で、勝負には強い味方になります。
 ただ、碁はもっと奥が深いと思うのです。日本の碁は、ある程度時間を使って打ちます。ふだんの勉強法も深く理解して頭に染み込ませていくやり方です。碁は理論化できない、意識できない感覚の世界がありますが、それは深い経験がないと身に付かないのです。そういう積み重ねが年齢を重ねると物をいいます。
 中国や韓国は若手が猛烈に強い。最新型を勉強し尽くしているので、先輩はかなわなくなります。ただ、すぐ新しい変化が出て来るので、それも研究し尽くさないと勝てない。次の若手には、研究量で追い越されますから、トップでいられる期間は長くはありません。
 日本でも若い人はもちろん強いですが、ベテランだって簡単には消えません。日本の碁は、棋風も年代もさまざまで多士済々です。魅力的だと思いませんか。
(囲碁棋士九段)
(おわり)
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