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岡目八目

読売新聞 2013/04/16掲載
青葉かおりさん

(3)論理的説明の必要を痛感(寄稿連載)

◇あおば・かおり
 米デューク大の学生たちは、あいまいな説明を許してくれませんでした。
 日本ではふつうに使う「味がいい、悪い」などと言っても通じないのです。囲碁のプロ棋士だと言っても、きちんと説明できないとバカにされてしまう。価値を認めてもらえないのです。
 どうしてこう打つべきなのか、理論的に具体的に説明しないと伝わりません。「厚みに近寄るな」とか「弱い石から動け」という基本的な考え方も、優先順位をつけて説明する必要があります。
 ぼんやりしていると、すぐ突っ込まれます。けっこう批判的にやってくる。言葉の問題もありますから、立ち往生してつらいこともありました。こういうときは、日本的なあいまいさって、居心地がいいなと思いましたが、文化の違いですから仕方ありません。
 ただ、うまく通じないときも、歩み寄りがあるのです。彼らは日本の文化に興味があって、受け入れようとしていますから、自分なりに理解しようと努力してくれるのです=写真=。分かり合えてからは楽しい時間になりました。
 おかげで私の囲碁に対する考え方が洗練されたような気がします。感覚的なことも、突き詰めれば論理化できるのですね。思考が整理されて、勉強になりました。
 それにしても、囲碁は力のあるゲームだと思いました。初めて囲碁に接した外国の学生たちが、いったん覚えると何時間も集中して取り組むのです。すぐやめちゃったりしない。つくづく囲碁の魅力に感じ入ったものでした。
(囲碁棋士四段)
 
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