岡目八目
(4)碁知らない読者も楽しめる
(寄稿連載 2018/05/23読売新聞掲載)著者がとんでもなく弱い(まだ2級)、担当編集者は9路盤でやっと碁が打てる程度、校閲やレイアウトの方がまったく囲碁を知らない、そんな、“弱弱布陣”で書かれたエッセイ集、『素子の碁』ですが。実は、この本には、もうひとつ、セールスポイントがあります。
囲碁をまったく知らない方にも、楽しめる本になっている……と、私と、関係者の方は、思っております。
いや、だって、関係者がほぼ、碁を知らないんだもん。んで、そのひと達が判(わか)るように原稿を直したんだもん。
(校閲段階で、囲碁をまったく知らない方々にお願いしました。判らない言葉があったらチェックしてねって。そしたら、もの凄(すご)い数の言葉が上がってきてしまって、ある程度は、コラムとか補注とかで何とかしたんですが、大抵、本文中で、何とかしました。じゃないと、あんまり煩雑になりそうだったので)
囲碁をまったく知らない方が読んでも、楽しめる、囲碁エッセイ!
……これもまた……多分、かなり珍しいっていうか……前代未聞に近いんじゃないかと思います。と、いうか、普通、そういうエッセイって、読者がまったく見込めないから、書かれないんじゃないかなーって思っております。
『素子の碁 サルスベリがとまらない』、これ、そういう、とても変なエッセイ本です。
とても変な本なので、読んでいただければ嬉(うれ)しいです。
強い方にも、万年級位者の方にも……そして、碁を知らない、あなたにも。
(作家)(おわり)