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岡目八目

古田久仁子さん
読売新聞 2017/05/02掲載
古田久仁子さん

(1)友人となぜか碁会所席亭に(寄稿連載)

 ◇ふるた・くにこ
 横浜市の京浜急行金沢文庫駅の近くに「囲碁太郎」というユニークな名前の碁会所があります。席亭は友人のシホ(渡辺志穂)。私、クニは週に一度、アルバイト席亭として店を手伝っています。共に棋力は初段程度。本業も別にある私たちが、なぜか碁会所経営に携わることになったのです。
 私たちが囲碁に興味を持ったきっかけは、漫画『ヒカルの碁』でした。「自分たちも碁を打ってみたい」と、ゲームボーイ版「ヒカルの碁」ソフトを購入したのが12年前のこと。13路盤で基本ルールを覚えたら、徐々に強い登場人物と19路盤で対局できるシステムで、2人はまさに寝食を忘れてのめり込みました。打っては結果を報告し、また打つ。お試しのつもりが、気づけばすっかり囲碁に夢中になっていたのです。
 ある日、ついに塔矢アキラ(「ヒカルの碁」の登場人物で天才少年棋士)が画面の向こうで、「アリマセン」とうなだれたときは快感でしたよ。シホはさらに腕を上げ、アキラの父・塔矢名人に、「感じる、この威圧感……」といわせる上達ぶり。
 自分たちには才能があるかも、と勘違いした2人は半年後、腕試しに横浜市内の某名門囲碁サロンへ乗り込みます。しかし、席亭みずから数十手まで打ったところで、「2人とも15級」という判定が。すっかり意気消沈していると、「大丈夫。囲碁が楽しいなら必ず上達しますよ」と励ましてくださいました。
 もともとへこたれないのが私たちの取りえ。上達するには本物の碁盤を使って人間と打つことが欠かせないと、碁会所通いを始めました。
(フリーライター)
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