岡目八目
(4)新「囲碁太郎」遊びに来て
(寄稿連載 2017/05/23読売新聞掲載)6年前、「碁会所探偵」の取材で訪れた「囲碁太郎」は、アットホームな雰囲気の碁会所でした。
友人シホは、ここでアルバイトさせてほしいと席亭に直談判。週2回、席亭として働き始めます。遅れること1年半、私も週1回の席亭に加わりました。
それから数年、またしてもシホが爆弾発言。「私が経営者として囲碁太郎を引き継ぐ」というのです。実は少し前から経営者が店を閉めたいと考えており、自分が「囲碁太郎」を守ると、覚悟を決めたのでした。
「ひとこと相談してほしかったな」というクニに、「好きな囲碁をやりながら死んでいけたらいいと思った」とシホ。そこまで言われたら、応援するしかありません。こうして、2015年4月、新「囲碁太郎」がスタートしました。
シホは忙しい毎日も笑顔で切り盛り。「ハマの女席亭」ぶりが板についてきました。クニは相変わらずのアルバイト席亭ですが、夏冬の大会、囲碁合宿などのイベントを二人で企画。年に数回、13路盤大会やペア碁会なども開いています。
さらに今年は近くの将棋サロンとタッグを組んで「囲碁将棋対抗戦」を開催、大いに盛り上がりました。
そんな「囲碁太郎」の自慢は、お客さんに恵まれていること。日頃は陽気なオヤジギャグの飛び交う店内ですが、有事の際は一肌脱ぐ覚悟の(はずの)常連さん。おかげで、シホ&クニは充実した囲碁ライフを送ることができています。
最後に、私たちがホンモノの初段かどうか確認したい方は、今すぐ京浜急行に飛び乗って「囲碁太郎」に遊びに来てくださいね。
(フリーライター)(おわり)