岡目八目
(3)「碁会所探偵」ブログ開設
(寄稿連載 2017/05/16読売新聞掲載)ブログ「碁会所探偵シホ&クニ」を始めたのは、2010年夏のこと。まちで碁会所を見つけると、飛び込みで打ってくる友人シホに、私が「碁会所探偵」と名づけたのがきっかけでした。
「いっそ二人で探偵してブログで紹介すれば、碁会所情報として役立つのでは?」。イメージは、碁会所のガイドブックです。やると決めたらすぐ行動がシホ&クニの良いところ。さっそくブログを立ち上げ、段取りも考えました。
探偵はまず、客として店に潜入。対局しながら店内を調査します。分煙されているか。女性が利用できるトイレはあるか。問題がなければ素性を明かし、席亭に取材します。さらに隔月で記事を担当。ブログにアップすれば任務完了です。
記念すべき第1回の「碁会所探偵」は、「横浜本因坊手談」。かつて15級を言い渡された碁会所でした。
当時24歳の若い席亭に出会ったのは、横浜市の東急線綱島駅近くの「横浜囲碁サロン」。午前7時半から教室がある千葉県船橋市の「薬円台囲碁クラブ」。ともに、探偵が縁で今も交流が続いています。
翌年からは3名の調査員(囲碁友達)も加わり、探偵業務はさらに賑やかに。
棋書600冊を誇る碁会所。囲碁カフェ、碁盤のある小料理屋、碁会が開けるベルギー料理店、伊勢、大阪への遠征もあり、探偵した先は碁会所だけにとどまりません。
5年間で紹介した碁会所は58軒。紹介していない店を合わせると、2人で80軒以上を巡ったことになります。
「囲碁太郎」との不思議な縁も、探偵が始まりでした。
(フリーライター)