岡目八目

謝依旻さん

謝依旻さん

(4)世界戦の優勝が目標

(寄稿連載 / 2013.10.08読売新聞掲載)

 プロになって2年目、スランプに陥りました。負けが続いて勉強もしなくなり、投げやりになりました。

 立ち直れたのは趙治勲先生のおかげです。十段戦で記録係を務めさせていただいたとき、対局の後、夜遅くまで何局も打って下さったのです。

 治勲先生といえば、台湾にいた頃からの憧れの大棋士。まさかそんな人と囲碁を打てるなんて思ってもみないことでした。

 勝敗より何より、対局できたことに感激してとにかくうれしかった。そして楽しかった。また頑張ろう、もっと勉強しよう、碁を打とうという気持ちになりました。

 その年、非公式戦の若手棋戦で準優勝し、若鯉戦では優勝。そして初めてのタイトル、女流最強位をとることができました。

 今年、女流棋聖に復位して、また女流三冠になることができました。台湾の新聞の一面記事となり、ネットの検索キーワードもトップだったのには驚きました。プレッシャーにもなりますが、力をもらいます。タイトルは全て防衛していきたいと思います。そして、今は世界戦で優勝することが目標です。

 日本の仲間とみんなで一緒に頑張るという気持ちで戦っています。差はさほど開いてはいません。私でなくても、日本の代表が誰か優勝できたらと思います。

 最近、よく女らしくなったと言われますが、そもそも相手がいなくて困っています。でも、今はその時期ではないのかもしれません。もう少し一人で囲碁を頑張れ、という神様からいただいたステキな試練だと思うことにしています。

(囲碁女流三冠)(おわり)