岡目八目

市橋優さん

市橋優さん

(2)プロ棋戦生んだ山本五段

(寄稿連載 2019/06/12読売新聞掲載)

 広島は本因坊秀策の生まれ育った因島と共に、広島市も囲碁が盛んでした。これにさらに活気を与えたのは山本賢太郎五段だと思っています。彼は日本棋院関西総本部の所属ですが、広島に住まいを移し、本腰を入れて広島での囲碁普及に取り組もうと決断した棋士です。私も山本教室に通い、指導碁を受けるようになりました。

 明るくて熱くて面白い青年です。彼と出会ったことから、広島の囲碁ファンの方々と接点ができ、広島県本部のイベントなどでプロ棋士との交流も増えていきました。

 広島では、若手対象の「広島アルミ杯・若鯉戦」、「フマキラー・囲碁マスターズカップ」というプロ棋戦が次々と誕生しましたが、これらは実は、言い出しっぺは山本五段でした。私が協賛する「トライカップ」も、3年前にスタートしましたが、その数年前に、山本五段から「市橋さん、若鯉戦とマスターズの間の年齢の棋士がたくさん参加できる団体戦を考えてよ」という話が出たことがあります。やはり彼が言い出しっぺだったのです。資金面などについては誰もができるわけではなく、地方に居ついた彼の功績は大きかったと思います。

 私自身も地元の囲碁仲間が集まる会を5年前に作り、市橋の市と碁を足して「囲碁クラブいちご会」と名づけました。現在50人弱の会員がいます。毎年年初めの総会にはプロとアマを呼び、ペア碁大会を行うようになり、ビッグイベントになりつつあります。今年は万波奈穂女流最強位・星合真吾ペアが優勝。出場希望者が増えてうれしい悲鳴をあげているところです。

(市橋工業代表取締役)