岡目八目
(3)プロ団体戦が大盛況
(寄稿連載 2019/06/19読売新聞掲載)「トライカップ プロ囲碁団体戦」は、日本棋院さんの提案も加わり、ユニークな棋戦になっていると思います。チーム構成は男2、女1で、2回目以降、優勝チーム以外は全く同じメンバーでは参加できません。どんなチームを作っても自由ですが、まず女流棋士を1人ゲットしなければならず、「あの人と組みたい」と思っても、女流棋士が「嫌だ」と言ったらそれまでです(笑)。
どんなチームができるのか、人間関係も楽しめます。3年前の第1回は約100人の棋士にエントリーしてもらいました。2年前は女流棋士の世界戦が重なってスケジュールが合わず、昨年から今年にかけて、第2回が開催されました。
第2回では、関西棋院枠を3組作ったところ、火がついて次々と13組もチームができ、日本棋院からも34組、合わせて141人もの棋士がエントリーしてくれました。優勝した奥田あや・高尾紳路・河野臨チームをはじめ、そうそうたる顔ぶれで大いに盛り上がりました。
本戦トーナメントは大阪・梅田の会場で公開対局でした。ゴルフをやる方なら分かるでしょうが、タイガー・ウッズのショットを間近に見たい。それと同じで、囲碁ファンも一力遼や余正麒らスター棋士がどんな手を打つのかすぐ目の前で見たいのです。会場はたちまち満員になりました。
現在唯一の国内団体戦ということで棋士にも楽しんでもらえ、ファンも喜び、それで会社の宣伝になって返ってくるものがあれば、こんなに嬉(うれ)しいことはありません。どれだけ元を取れるかはわからないのですが(笑)、続けられるだけ続けたいとは思っています。
(市橋工業代表取締役)