岡目八目
(4)囲碁を社会の潤滑油に
(寄稿連載 2012/08/21読売新聞掲載)より多くの人が碁を打つようになれば、世の中はきっとよくなります。碁を打ってみて、囲碁は社会の潤滑油になりうると感じています。
年齢や性別、地位に関係なく碁盤に同じルールで向き合う。一つの碁盤を多くの人が取り囲んで批評する。時には悔しがる声、時には笑い声が聞こえる。わずかな経験しかありませんが、碁会所であれ、同好会であれ、議連であれ、ひとたび扉を開けて参加してみると、和やかで刺激的な空気がそこにはあります。
私が政治の道を歩む前、歴史を通じて人生の原理原則についてご指導をいただいていた先生が「囲碁はぜひともやりなさい」と強く薦めていらっしゃったのを思い出します。先生は60歳を過ぎてから囲碁を始められ、すぐにその魅力のとりこになったそうです。
人と相対し、頭を使い、一手一手自らの手で石を打ち、その上に勝負という適度な刺激があります。仕事を勇退されてから囲碁を始められる方もたくさんいると聞いています。習い始める年齢は関係ありません。
子どもへの普及も徐々に進んでいるようで、東京都中央区の小学校の中には、授業に囲碁を取り入れた学校もあるようです。囲碁には集中力、思考力、判断力だけではなく礼儀作法も求められます。この知的なゲームに子どもが接することは、教育上も素晴らしいことではないでしょうか。楽しみながら基礎力を身につけることを期待しています。
囲碁の魅力を伝え後押しすることは、微力ではありますが議連での私に課せられた責務だと思っています。
(囲碁文化振興議員連盟事務局次長)(おわり)