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岡目八目

読売新聞 2010/10/12掲載
春風亭華柳さん

(4)碁敵は憎さも憎し(寄稿連載)

 ◇しゅんぷうてい・かりゅう
 「笠碁」「碁泥」という噺(はなし)を演(や)りたい一心で碁を始めたわけですが、ルールだけ覚えればと思っていたのが、いつの間にかハマっちまいました。
 笠碁は、裕福なお店(たな)の旦那(だんな)と出入りの小商人(こあきんど)のヘボの囲碁仲間の噺。あるとき旦那が、碁が強くなるには待ったは絶対いけない、と師匠格の人に言われ、「今日からは待ったなしで」――と。ところがいつものようにすぐ待った。
 「今日からは待ったなしで」「イヤ待ったじゃないんだ、ただ、この手を止(よ)すだけだ」。ついには、「ばかッ、帰れッ」「何を言ってやんでぇ、頼まれたってこんな家へ二度と来るもんか」とけんか別れ。
 このまんまもう付き合わないかてぇと、古川柳に『碁敵は憎さも憎し懐かしし』とあるように、何日かたつと打ちたくてたまらない。この二人がどう仲直りするかが、この噺の聞かせどころです。
 碁泥は、これも仲の良い二人が深夜まで碁を打っていると、その家に入った泥棒が大の碁好き。しかも二人より強く、そこは切るとかツグとか口を出す、という落語です。
 「碁柳会」の秀作をご紹介してお別れとしましょう。

春風亭華柳さん色紙「こっそりと助言受けてる喫煙所」  『碁敵の手を取って泣く初勝利』 華柳
 『碁敵のハマ取って来る出来た孫』 こすみ

 ヘイ、おあとの支度がよろしいようで。
(噺家、色紙も)
(おわり)
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