岡目八目
(4)「碁縁」がつくる人のつながり
(寄稿連載 2013/08/13読売新聞掲載)碁は一手一手、黒と白の石の運びに僥倖(ぎょうこう)は無く、すべて自分の責任です。
それだけに、打つ人の人間性が出ますし、一局打てば親友にもなります。
囲碁のお陰で、内外の素晴らしい友と出会うことが出来、狐狸庵先生(故・遠藤周作氏)に碁をお教えしたこともありました。
小学校の囲碁教室では、一人ひとり個性の違うキラキラ輝く子どもたちから、毎回感動をもらい、東京駅八重洲口のサロン「いずみ囲碁ジャパン」の教室「若葉会」では、一人ひとり違う人生経験を持つ人々に、私が教えられることばかりです。
女性囲碁人口のすそ野拡大を願って、囲碁に心酔する仲間たちと手作りで企画したのが「女流アマ囲碁・勝負美人杯」です。その第一回大会(九月八日)の日本棋院での開催に向けて、準備を進めていますが、ベテランだけでなく、碁を始めて間もない人々にも大勢参加してほしいのです。
「もっと勉強してから」とか、「もう少し強くなってから」と言う声には、「もし全敗したとしても、一年でも早く体験することが上達への近道です」と、確信をもってお薦めしています。
関西には、「朝日アマ名人戦」や「なにわ杯」など女流アマの大きな大会がありますが、不思議なことに、関東には一つもなかったのです。クラスごとに、どんな勝負美人が誕生するか、楽しみです。
これからも、一碁一会の「碁縁」を大切に、一人でも多くの人に碁と出合っていただくよう普及のお役に立てればと思っております。
(囲碁ジャーナリスト)(おわり)