岡目八目
(3)ランク制の普及進める
(寄稿連載 2015/11/17読売新聞掲載)全日本囲碁協会では「全国統一ランキング」制度の普及を進めています。
話は古くなりますが、昭和20年代、若手の囲碁研究会を始めた際、固定化した段級位制に代わるものとして点数制を採り入れました。勝敗によって即座に点数が変動するシステムです。当時はコミ4目半でしたから、5点差で1段級差としました。シビアな点数制は若者に好評でした。
その後、緑星囲碁学園を立ち上げた時には、点数制をより進化させたランク制を導入しました。
協会でも、全国の囲碁仲間が競い合い、連帯を深めようという趣旨で、このランク制を採用しました。ランクは棋力を表す指針の一つとお考えください。たとえばランク「7」はアマ全国大会上位レベル。県代表レベルは「8」~「9」。東京の碁会所の初段クラスは「28」~「29」です。ランクは、会員碁会所で行われる統一ランキング大会の成績によって変動します。
協会発足以来、首都圏ではこれまで3回、統一ランキング大会を開催。毎回、約200人の参加者があります。
上位者には、平岡聡さん、井場悠史さん、鮫島一郎さんら、全国的に知られる強豪が名を連ねています。級位者、女性、子どもの参加者も多く、大会会場は大にぎわいです。
私も大会に参加し、何とかランキング10位内で頑張っています。
ランキング大会は首都圏以外にも大分、長崎などでも開催されています。全国に広がれば、アマが共通の土俵で競い合うことができ、碁界の活性化につながると確信しています。
(全日本囲碁協会理事長)