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岡目八目

北川正恭さん
読売新聞 2016/09/13掲載
北川正恭さん

(4)県民文化祭で囲碁採用(寄稿連載)

 ◇きたがわ・まさやす
 1995年に三重県知事に就任した。当時はカラ出張、官官接待、裏金等の公金の不適切使用の問題で地方自治体は批判の矢面に立たされ、三重県庁も例外ではなかった。一方、地方分権推進法が施行された年で、集権体制を分権体制にモデルチェンジしなければならない頃でした。
 この二つの荒波は、成長社会が成熟社会を迎え、今までの体制が必然的に変わらざるを得ない中で、避けて通れない課題だった。このような中での知事就任で、県庁内で囲碁の話をする雰囲気はありませんでした。知事時代の囲碁の楽しみは、日曜日のNHK杯の対局を見る程度でした。
 次年度の予算編成で県民文化祭が話題になった際、演目の中に囲碁と将棋がないことに気がついた。これは残念なことで、検討した結果、取り入れることになった。文化祭当日、会場を視察すると、「知事も一局」と促され、根が好きでつい一局となった。中盤、相手が変なところに打ってくるのを不思議に思い、碁盤全体をよく見渡したところ、つながっているはずの大石が切られていたのです。
 衆人環視の下の大恥だったが、楽しい思い出です。県民文化祭に囲碁が入った功績により、日本棋院から「名誉五段」を頂きました。
 私が通い始めた「秀芳囲碁さろん」では、プロ棋士の指導碁のほかに、会員同士の「大手合」があります。皆さん、勝つと大きな表に赤丸のシールを貼るのが楽しみのようで、私も早速参加したところ、赤が黒いシールより先行し、気分をよくしているところです。週一ペースで通い、頭の鍛錬に励むつもりです。
(早稲田大学名誉教授)
(おわり)
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