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岡目八目

読売新聞 2009/03/31掲載
木谷正道さん

(4)信(まこと)を通わせ合う(寄稿連載)

 ◇きたに・まさみち
 二〇〇五年八月、敗戦六十年の節目に、僕は自分に三つの質問をした。「世の現状をどう思うか?」――極めて悪い。「そのことにお前は責任があるか?」――明らかにある。「それでは、早晩退職するお前はこれからどう生きるのか?」――自分が本当にやりたいこと、本当はやらなくてはいけないことをやる。
 二〇〇七年三月、僕は初めてフルマラソンを走り、一年早く都庁を退職した。
 大地震が切迫し、このままでは破局的事態になる。被害軽減の切り札=耐震補強を進めるNPOを設立し、内閣総理大臣賞と神奈川県ボランタリー活動奨励賞をいただいた。課題は「住まいと心の補強」――地域を支え、地域に支えられるNPOになりたい。
 八年前から僕はご近所の宅老所で唄(うた)を歌うようになった。今年は九月二十二日に新宿文化センターで「心の唄〜沖縄・共に生きる」を開く。お出(い)でいただければ嬉(うれ)しい(http://kokorono‐uta.net)。
 中学一年の時に離れた囲碁の世界に、いつの間にか僕は戻っていた。事務所には囲碁クラブ「浜風」ができた。
 広島県福山市鞆(とも)の浦は江戸期の朝鮮通信使が「日本で一番美しい」と讃(たた)えた港町である。一昨年、ご縁ができ百面打ち囲碁祭を開いた。偶然が重なり、昨年は知人の合田寅彦氏が所有する朝鮮通信使饗応(きょうおう)図絵巻が鞆で初公開された。
 絵巻制作二百年の来年十月に「二十一世紀の朝鮮通信使」をお招きする構想が浮かんだ。棋士と囲碁ファンにお出でいただき、鞆、京都、彦根、平塚で交流する。「信(まこと)が通いあう」懸け橋になればと願う。
(暮らしと耐震協議会理事長)
(おわり)
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