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岡目八目

木谷好美さん
読売新聞 2012/02/21掲載
木谷好美さん

(3)生徒しかり互いに楽しむ(寄稿連載)

 ◇きたに・としみ
 私の時代、普及の中心は個人レッスンから大人数での講座へと移行しつつありました。生徒さんの心をつかむしゃべり方を、東京の落語風にするか、関西の漫才風にするか迷った末、テンポ主流の漫才を選びました。人気の上沼恵美子さんのしゃべりを勉強しました。
 〈1〉やる気は、目に出る。〈2〉知性は、声に出る。〈3〉生活は、顔に出る。
 私はレッスンプロとして、この三つを人を見る基本にしています。人前でしゃべるのは本当に難しいものです。付け焼き刃のようでも、講演会に出かけたり、読書量を増やしたり、プラスと思えることには貪欲に挑戦しましたが、成果はどうでしたか。
 レッスンが忙しくなるにつれ、人との関わりに悩まされることもありました。人と人とのことですから、ない方がおかしいですよね。
 そんな時、生徒の社長に、「お前さんナ、人生で一番さびしいことは何だと思う」と聞かれました。突然の問いにキョトンとしている私を笑いながら、「それは、自分をしかってくれる人がいなくなることや」と言われたんです。納得でした。これ以後、愛情と自信を持って生徒をしかっています。
 同じ習い事をしていて、自分本位に振る舞い、人にきらわれるのはさびしいことです。お互いに大切な時間をさいているのですから、楽しまなければ。教える側としても、おごりに陥らぬよう戒めています。
 高齢化が進むお弟子さんたちの健康を考え、講義の後、ストレッチヨガを導入し、一緒に心地よい汗を流しながら、長い道のりを楽しんでいます。
(囲碁棋士初段)
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