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岡目八目

きたろうさん
読売新聞 2013/06/04掲載
きたろうさん

(2)由香里先生の引き立て役(寄稿連載)

 僕が聞き手を担当したNHK「囲碁フォーカス」では、初めの4か月を吉原由香里六段が、その後の8か月を吉田美香八段が講師を務めてくださいました。そこで僕から見たお二人についてお話ししましょう。今回は吉原六段。
 由香里先生はね、自分がかわいいということが分かっていますよね。実際、誰が見てもそのとおりだし、笑った時の顔なんて最高でしょ。
 だから僕は引き立て役というか、彼女がそう見えるように手助けするのが自分の役割だと思って、収録に臨んでいました。ギャグも嫌いじゃなさそうだし、できる限り番組内で笑わせてあげようと。
 この目標は、それなりに達成できたんじゃないかな? ある時などは彼女があまりに笑い過ぎてしまって、止まらない。それでNGになって、改めて撮り直したこともあったくらいですから。
 気さくで優しい由香里先生ですが、いざ対局となると雰囲気が一変するのでびっくりしました。あのかわいらしさがどこかへ行ってしまって一心不乱。女じゃなくなっています。これがプロ棋士なんだなぁと感心させられました。
 しかしテレビ業界で生きる者として、このギャップが彼女にとってマイナスにもなりかねないとも感じたので、差し出がましいのを承知で一つだけ「いつも人に見られている立場だということだけは忘れてはいけないよ」とアドバイスさせてもらいました。
 囲碁はどうしても地味な印象が付いて回りますが、由香里先生はその華やかさで、そうした負のイメージを払拭できる稀有(けう)な存在です。さらなる活躍を願ってやみません。
(俳優)
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