岡目八目

小林泉美さん

小林泉美さん

(2)うれしい娘たちの成長

(寄稿連載 / 2016.01.12読売新聞掲載)

 主人は今、手合のたびに日本の自宅に帰っており、日本にいる方が多いくらいです。台湾に永住するわけではありません。そうでなければ主人の師匠、林先生(林海峰名誉天元)は許してくださらなかったでしょうし、父(小林光一名誉棋聖)も寝込んでしまったかもしれません。

 台湾に来て最もうれしいのは、娘たちの目を見張るような成長です。新しい環境、異文化の中で刺激が多いせいでしょうか。

 9歳の長女はプロ棋士を目指していますが、囲碁に取り組むときの目つきが変わりました。自分一人で勉強できるようになること、というのが主人の方針なので、基本的には日本にいるときと勉強方法は変わりません。でも台湾では、3000人規模の子ども大会が週1回のペースで開催されています。義父の囲碁教室にも強い子供たちが集まってきます。こうした環境に刺激を受けているのだと思います。「そんなに強くなっていない」と主人は言いますが、それは主人のレベルで見た話。私から見れば、はっきり強くなっています。

 義父の教室は能力開発に重きを置いています。集中力や先生の話を聞く力をつけ、いろんなゲームで感覚を磨いて、その後に囲碁を学ぶスタイルです。6歳の次女にはピッタリのタイミングで、昨年6月に入れていただいたのですが、32級から4級になりました。

 初めて主人を日本に送り出したときは、少し心細かったのですが、今は娘たちとゴキゲン街探検です。成長を続ける娘たちを見守りながら、当たり前のこと一つ一つが本当に楽しく、毎日を満喫しています。

(囲碁棋士六段)