岡目八目

桝由美さん

桝由美さん

(1)「囲碁ガール」最近ブーム

(寄稿連載 / 2011/09/20読売新聞掲載)

 ◇ます・ゆみ

 「囲碁ガール」をご存じですか――。最近、テレビやラジオなどでこの言葉を耳にする機会が増えました。

 ズバリ、囲碁を打つ女子のことです。今、20代、30代の女性を中心に、ちょっとした囲碁ブームが起きています。

 若者むけの普及団体「IGO AMIGO(イゴ・アミーゴ)」でも、この1年で参加者の男女比が逆転。毎月行っている囲碁ワークショップでは、入門者の約8割が若い女性で占められるようになってきました。

 囲碁を打つなら碁会所で――。そんな状況も今は昔。彼女たちは、碁を打つのに場所を選びません。カバンにもすっぽり入る携帯型の九路盤、スマートフォンの囲碁アプリ、最近流行のタブレット端末も使って、カフェやバーで「囲碁女子会」が開催されることもしばしば。碁盤はいまやポータブルなのです。

 囲碁を打つ女性といえば、かつては「小さいころから囲碁を習っていた」という方がほとんどでした。私もその一人です。しかし今は、社会人になってから囲碁を始める人が急増しています。

 理由を尋ねると、「人と違うことをやってみたかった」「仕事の役に立つと思った」など様々ですが、どの答えにも共通しているのは、確固たる意志があるということ。簡単に流行に流されない、精神的に自立した女性が囲碁ガールには多いようです。

 こうした背景には、入門者が気軽に参加できる環境が整ってきたことがあります。そして、それをブームにまで押し上げたのは、囲碁界の常識を覆したといわれる雑誌「碁的」の登場でした。

(「碁的」編集メンバー)