岡目八目

宮田均さん

宮田均さん

(2)「ニコちゃん」撮り続け23年

(寄稿連載 / 2016.10.25読売新聞掲載)

 「知念かおり・沖縄初の女流棋士誕生」は地元、宮古島で号外が出た。1993年、里帰りの新初段に同行。18歳。子どもの頃に修業した碁会所では、応援隊猛者の「もっとしっかりせい」の激励にもニコニコ。天下一品の笑顔がいい。愛称「ニコちゃん」を23年間撮り続けている。

 趙治勲名誉名人。頭をたたき、かきむしり、上を向き、下を向き、遠くを見、顔をたたき、マッチ棒を折り。千変万化の表情で己と向き合う。集中した姿は美しい。

 「年とったら、旅に出て、碁を教えて食い物をもらい、諸国を行脚したい」。放浪の風に身をさらし、己の居場所を探した円空、種田山頭火に重なる。

 白と黒の石をもって奥義を極めんとする一人の修行僧を今までずいぶん撮らせてもらった。ますますの円熟の治勲像を撮りたい。

(写真家)

知念かおりさん(右)と母・良子さん。宮古島・東平安名岬で(1993年)