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岡目八目

水間俊文さん
読売新聞 2014/08/12掲載
水間俊文さん

(1)誰もが囲碁を分かるように(寄稿連載)

 ◇みずま・としふみ
 囲碁が、一部の小学校で正課授業として教えられるようになって、3年目になります。私は初年度からこの授業に携わっています。
 クラブ活動や放課後の活動で指導する場合と違い、授業では囲碁に興味のない子供もいます。全員が打てるようになるためには、従来の教え方ではうまくいきません。
 10人生徒がいれば、その中の2、3人が強くなればよい。これが従来の教え方でした。私も入門指導をはじめた10年前はこの手の指導者でした。ある時、妻に「そんな教え方では分からない」と率直に指摘されて、はっとしました。そのときから、入門指導に対する考え方は一変しました。
 例えば、「同じ色の石が縦と横の線でつながると、ひとつの仲間になる」というルールは、今までの入門書や講座では説明されていませんでした。囲碁を打てる人にはあまりにも当たり前すぎて、明文化するのを忘れてしまったのでしょう。でも、他の白黒の石を使うゲームと囲碁が決定的に違うのはこの点。私が見る限り、囲碁が理解できない人のほとんどが「盤上でどの石がつながっているのか」、「どの石が切れているのか」といった石のつながりを理解できずに悩んでいるのです。私は、まずこのことを教えるようにしました。
 誰もが囲碁を分かるため、できるだけ基本ルールをかみ砕くこと。それを実践すれば、生徒全員が碁を打てるようになるのです。
 強くなる子供は放っておいても大丈夫。最初はスムーズに理解できない子供たちも囲碁を打てるようにすることが、真の普及だと私は考えています。
(囲碁棋士七段)
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