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岡目八目

長森義則さん
読売新聞 2014/10/14掲載
長森義則さん

(1)囲碁美術館の夢 山梨で実現(寄稿連載)

 ◇ながもり・よしのり
 私は日本棋院に職員として勤務するかたわら、囲碁に関する資料を収集してきました。それをもとに、いつか囲碁文化とゆかりのある場所で、囲碁美術館を作りたいと思っていました。
 退職後、その夢が実現しました。縁があり、山梨県北杜市の囲碁美術館開設に参画する幸運に恵まれたのです。展示内容を立案し、説明資料を作成する仕事は、大変でしたが楽しいものでした。多くの方々の協力をいただき、2006年、「北杜市囲碁美術館」はオープンしました。
 山梨と囲碁のつながりと言えば武田信玄が有名です。信玄が生きた乱世は優雅に碁を楽しむ時代ではなく、棋譜を取る習慣もありませんでした。しかし伝説の棋譜が伝わっているのです。武田二十四将の一人、高坂弾正との打碁です。
 この棋譜が初めて活字になったのは、江戸時代後期の文政12年(1829年)。囲碁四家の一つ、井上家の門人で甲州出身の三神松太郎が著した「古棋」です。信玄のもののほか、日蓮上人と日朗、真田昌幸と信幸の親子の3局だけを収めたわずか10ページの打碁集です。信玄の碁はすごいねじり合いの末、信玄が勝っていますが、もちろん本当に信玄が打ったのかどうかは定かではありません。伝説とされる由縁です。
 さて、囲碁美術館の展示は、資料が間近で閲覧できるように工夫しました。展示品は浮世絵をはじめ、出版物、郵便切手、陶磁器、着物、宝くじなど日常生活に見られる囲碁資料が中心です。信玄と高坂弾正との棋譜付き対局石像もあります。囲碁専門の美術館は全国でもここだけです。ぜひ一度、足をお運び下さい。
(囲碁美術研究家)
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