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岡目八目

読売新聞 2007/01/15掲載
永代和盛さん

(1)プロ目指す子供の「道場」に(寄稿連載)

 ◇ながよ・かずもり
 棋士を目指す地方の子供たちのために、私は昨年夏、地元の長崎県雲仙市国見町に、住み込みの囲碁道場を設立しました。プロを目指す子供たちだけを受け入れる「棋士養成道場/永代塾」です。
 今、地方の子供たちは、本気でプロ棋士になりたいと思っても、その道のりは厳しいのが現状です。まず、東京か大阪か名古屋に出なければなりませんが、小学生や中学生が1人で住むわけにはいきません。親と一緒に上京することができず、親類も頼れないとなると、残された道は「内弟子」に入ること。けれども、内弟子をとっている棋士の数は少なく、非常に門戸が狭いのです。
 かつては、日本棋院の寮があり、私がプロを目指したころにはお世話になることができました。でも、寮が閉鎖したときから、地方の子供たちのプロへの道も厳しくなってしまったと感じています。
 人気漫画に影響されて囲碁を覚えた、いわゆる「ヒカルの碁」世代の子供たちが強くなっています。才能のある子供たちが、地方にも大勢いるにもかかわらず、門戸が狭いという理由だけで埋もれさせてしまうのは、あまりにも残念です。子供たちにあきらめさせてはいけない、そのために、何か行動を起こさなくてはと思いました。
 私自身は3年前にプロを断念しましたが、その時、「今度はアマチュアとして普及に力を入れよう」と決めました。そして、周囲の多大な協力にも恵まれて、道場設立を実現することができました。
 「棋士養成道場」とはいえ、もちろん、九州にいながらプロになることはできませんから、私の役目は、子供たちに「院生」の上位で戦える実力をつけ、東京に送り出す「橋渡し」だと思っています。プロになりたいという子供たちの夢と可能性を広げる「道場」を目指しています。
 近い将来、九州のプロを目指す子供たちが集まるようになってくれればと願っているところです。
(永代塾塾長)
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