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岡目八目

読売新聞 2007/01/22掲載
永代和盛さん

(2)一人の熱意に周囲の協力(寄稿連載)

 プロ棋士を目指す子供たちだけを対象にした「棋士養成道場/永代塾」が、どのようにしてつくられたのかをお話しします。
 私は、いつの日か「道場」をつくりたいと考えていましたが、それは結婚して身辺が落ち着いてから――つまり、20年ぐらい先のことだとイメージしていました。それが、こんなに早く実現できたのは、ひとえに周囲の協力のたまものです。
 私自身が棋士への道を断念し、「これからはアマチュアとして自分ができる普及に力を注ごう」と決意して故郷に帰ったのが19歳のときでした。
 私の実家は、知的障害者を中心とする福祉施設と保育園を経営しています。私は、その福祉施設で働きながら、保育園に出かけて囲碁を教え、学童クラブもつくってそこでも囲碁を教え始めました。
 私が帰郷する前から実家が開いていた囲碁教室では、県代表クラスの水田正和さんが指導して下さっていました。このように、子供たちが集まる場所があったことが恵まれていましたし、素晴らしい指導法で子供たちの才能を伸ばしてくださる水田さんの存在がなければ、「永代塾」設立にはまだまだ行き着いていなかったと思います。
 その後、囲碁教室の子供たちはめきめき上達し、遠方の子供たちのために、週末に合宿を始めるようになりました。そして昨年、実家を新築する際に、「道場をつくりたいならこの機につくってもいいぞ」と父が言ってくれたのです。
 長崎県が子供への囲碁普及が盛んな土地だということも、広い意味で「永代塾」を支え、応援してくれていると思っています。「NPO法人長崎こども囲碁普及会」が大会開催や教室案内などに力を注いでおり、他県に比べると、子供たちへの囲碁普及が浸透しているのではないでしょうか。中心になって動いている方は、表には出ていらっしゃいませんが、一人の熱意が大勢の心を動かせるのだということを、教えてくださった方でもあります。
(永代塾塾長)
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