岡目八目

永代和盛さん

永代和盛さん

(4)子供たちの「道」を開きたい

(寄稿連載 2007/02/05読売新聞掲載)

 プロ棋士を目指す子供たちには、そのための修行期間を短くしてあげることが大切です。子供たちを預かる立場としては、プロになれなかったら・・・と、責任を感じるのですが、師匠としては、だめならだめと早い時期に見極めることも必要だと思っています。私は、「遅くとも中学3年の夏休みまでに、キッパリと方向を決める」と子供たちに伝えてあります。人生は囲碁だけではありません。早い時期なら方向転換もしやすく、人生が広がります。

 反対に、子供たちが強くなり、明らかに才能があると思えば、東京での受け入れ先を必死に探してあげるつもりです。私がアマチュアの全国大会などで上京する折にも探していますし、仲間うちでもいろいろ考えているところです。

 日本の子供への囲碁普及は、韓国や中国に比べると程遠いのですが、なんとかしなければと、ただ唱えているだけでは何も始まりません。自分たちで動かないと時代は変わらないと思っています。

 私の場合は、環境に恵まれた上に、相当運よく好条件がそろって実現できましたが、「道場」を設立し運営するというのは、なかなか大変なことです。それでも、地方ごとに、同じようなプロを目指す道場ができ、地方の素質ある子供たちが埋もれてしまわずに、彼らのプロへの道を開くことができれば、どんなにいいだろうと思います。

 そのためにも、長崎県国見町は囲碁の町として名を馳(は)せなければ。「永代塾」の子供たちには、近い将来、せめてアマチュアの全国大会を制覇して欲しいですし、もちろん、ゆくゆくはプロになりタイトルを獲(と)るような棋士に育ってもらいたいです。まず、実績を積み、「九州には永代塾があるぞ」と知れわたり、どなたかがまねをしてあとに続いてくれるような流れができればと願っています。

 道場を始めて半年、これから数々の課題を乗り越えながら、子供たちと一緒に成長していきたいと思っています。

(永代塾塾長)(おわり)