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岡目八目

沼山助内さん
読売新聞 2015/05/12掲載
沼山助内さん

(2)「狐狸庵」山荘の碁会 楽しみ(寄稿連載)

 ◇ぬまやま・すけない
 私が住んでいる東北町は、青森県の中でも田舎です。家の周りの畑には野ウサギがしょっちゅう足跡をつけ、カモシカが姿を見せることさえあります。
 その畑は私が農協に勤めていた頃から無農薬を貫いているので、まずミミズが増えまして、そのミミズを食べるためにモグラが増え、そのモグラを捕るためにネコが――、といった具合です。
 このような環境なので、碁の相手もまったくと言っていいほどおりません。ですから碁を打つとしたら県の大会となるのですが、それに加えて青森市や八戸市、十和田市、岩手県の強豪と言われる人たちに声をかけて、年に何回か碁会を開いています。
 会場は県内にある山荘でして、キツネやタヌキが出てきます。警戒心が強く、人間の前にはほとんど姿を見せませんが、夜に残飯を戸外に置いておきますと、朝にはきれいさっぱり平らげているのですから大したものです。
 いつからかこの山荘には「狐狸庵」という名前が付きました。メンバーの1人がご苦労なことに立派な看板をこしらえてきたので、今は玄関の上にどんと飾ってあります。
 「狐狸庵」という名前は、碁がお好きだった作家の遠藤周作先生の雅号「狐狸庵山人」にもあやからせていただいたことを触れておかねばなりません。
 こうした大自然に囲まれた環境で、気心の知れた仲間と心ゆくまで碁盤を囲む。99歳にもなって、まだこんな楽しみがあるのですから、本当に幸せな人生を送らせてもらっていると思います。
(青森県東北町在住、アマ8段)
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