岡目八目

沼山助内さん

沼山助内さん

(3)天井を碁盤に見立て詰碁

(寄稿連載 / 2015.05.19読売新聞掲載)

 囲碁と出会って75年。アマ8段の免状をいただけるようになるまで、なんとか自分なりに精進してきました。

 若い頃は、囲碁雑誌もよく購読したものです。大正末期に創刊され昭和40年代まで続いた「囲碁春秋」から始まって「棋道」や「囲碁クラブ」などです。そこから得た技術や知識が、棋力向上につながったことは間違いありません。

 ただ、90歳を過ぎてからは視力がてきめんに落ち、読書が大儀になってきました。雑誌もほとんど読まなくなり、今は新聞の観戦記に軽く目を通す程度です。

 ですから現在は、もっぱら実戦です。若かった時分から棋書で勉強するより実戦から学ぶというタイプではありましたが、近年はその傾向がさらに加速していると言えるでしょう。ただ、近隣に碁を打つ仲間がいないのが、大きな悩みなのですが――。

 上達方法と言えば、詰碁はよくやりました。問題の形を暗記して、頭の中で解くのです。しかし時には、自分で考えた答えとは違う変化が正解となっていることがあるわけで、そういう時には再び頭の中で、なぜ自分が間違いなのかを解決するまで考えます。そんなことを繰り返してきました。

 夜になって布団に入ると、天井の木目が碁盤に見えてきてしまって、そこに碁石が浮かんでくる。その盤石を使って詰碁を解くこともやったものです。

 これは今も続けています。ただし、近頃は答えを出すよりも早く眠くなってしまうことが多いので、詰碁が最高の眠り薬となっているしだいです。

(青森県東北町在住、アマ8段)