岡目八目

大沢奈留美さん

(4)オバマ大統領の母校で授業

(寄稿連載 / 2014.03.04読売新聞掲載)

 ブラジル・サンパウロには日本棋院の南米支部があります。囲碁を世界に広めることに情熱を傾けた岩本薫先生(九段)が残して下さった立派な建物が拠点となっています。1階がサロンで、日本からの移住者、日系の人たちが碁会を開いています。一方で、市内には地元の若者たちがボランティアで運営する「パウリスタ碁センター」がありました。新しい囲碁世代がしっかりと育っているのです。ここではサプライズ・プレゼントをいただきました。私の携帯端末の画面に、碁石マークを一個一個置いてハートの形を作ってくれたのです。今でも大切に残してあります。

 最後に立ち寄ったのはハワイ。オバマ米大統領の母校であるプナホウ高校で授業を行いました。驚いたのは、正課として囲碁が教えられていたこと。ジョンソン先生という方が「囲碁は人生を豊かにする」という信念で受け持っておられました。私は1時間半の授業を2回行い、囲碁から自分が学んだことを話しました。ハワイではラジオに出演したり=写真=、ワイキキビーチでも教えました。最終日には水着を買って海で泳ぎました。

 2か月間の交流使の旅を終えて感じたのは、世界では若い世代が自由に囲碁を楽しんでいるということです。囲碁を通じての出会いがあり、その輪が広がれば、むしろ海外の方が次へ次へと進んでいくパワーがある。頼もしい限りです。日本もうかうかしてはいられません。

(囲碁棋士四段)