棋聖戦
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岡目八目

読売新聞 2008/07/14掲載
坂田栄男さん

(1)テレビ観戦が最大の楽しみ(寄稿連載)

 ◇さかた・えいお
 私は8年前、80歳の時に現役を引退しました。現在はどうということもない、のんびりとした毎日を過ごしています。日課とかは特に決まっていませんが、最近は朝の目覚めがめっきり早くなりました。やっぱり齢のせいでしょうね。
 碁盤の前に向かって石を握ることも、ほとんどなくなりました。目がすっかり悪くなってしまったので。そもそも私が引退したのは目の衰えが一番の原因で、対局開始直後はまだ良くても、時間が経つにつれて目がかすんできてしまう――生来、目が弱かったので、棋士人生の後半は、目との戦いだったという一面もあったのです。
 そんな具合なので、新聞の棋譜を見る回数も減りました。手数の進んでいない序盤なら苦痛でもないのですが、石が混んでくると目が痛くなってしまうので、もう見なくなってしまいます。とは言っても、私から碁を奪ったら何も残りません。今でもやっぱり私の中心には碁があり、碁は常に私の頭の中に存在しています。
 今の私にとって最大の楽しみは、テレビの囲碁観戦です。テレビ画面の中の碁盤なら目の負担も軽く、長い時間見ていることができます。特に棋聖戦を始めとする七番勝負の衛星放送の生中継は、2日間、欠かさず見ています。
 囲碁情報番組などもかなり見ているので、日本棋院に足を運ぶことはもうなくなりましたが、碁界の情報についてもそれなりに知っているつもりです。最近は若い人の活躍がすごいみたいですね。
 次回はそうした「棋士と年齢」についてのお話をしたいと思います。
(二十三世本因坊)
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