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岡目八目

読売新聞 2008/08/11掲載
坂田栄男さん

(4)私の「故郷」に再び活気を(寄稿連載)

 現在の日本碁界を見ていると、今ひとつ元気がないように思えてなりません。私が若かった頃(ころ)はもっと活気があって、ファンの注目度も高かったはずなのですが・・・・・・。何が原因かと考えてみますと、やはり国際棋戦での不振ということに行き着いてしまいます。
 最低でも、優勝を争うところまでは行かなくては。それ以前の段階でこれだけ負け続けていたのでは、ファンが落胆するのも当然でしょう。私も一生懸命に応援しているのですが、最近は応援のしがいがない。さっぱり熱が入らないのです。
 かつては「日本のナンバーワン=世界のナンバーワン」という図式が成り立っていましたから、ファンも「世界最高のものを見ている」という誇りを持って、私たちの碁を見ていてくれたはずなのです。でもこれだけころころと負けていたのでは、ファンも矜持(きょうじ)を保てません。
 ファンの方たちも、もっと棋士に対してしった激励するというか、厳しいことを言っていいと思いますよ。スポーツと比べてみても、囲碁ファンはおとなし過ぎます。まあ、それだけ注目されていないというか、力が入っていないということでもあるのでしょうが。
 私にとって碁界は故郷なのです。子供の頃、週に1回の日本棋院通いにわくわくしていた気持ちが、今この齢になってなお鮮やかによみがえってくるくらいです。
 その故郷がこのまま衰退していってしまうのでは、あまりに寂しい。引退した身ではありますが、碁界の未来が心配でなりません。
(二十三世本因坊)
(おわり)
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