岡目八目
(1)広がる学生囲碁の輪
(寄稿連載 2014/04/08読売新聞掲載)◇さとう・なおつぐ
全日本学生囲碁連盟副会長の宇野茂彦先生から引き継ぎ、一昨年から関東の連盟会長を務めています。学生の碁になじみのない方も多いと思いますが、囲碁部、将棋部がある大学は多いですし、スポーツ競技と同様に大学対抗の公式戦もあります。
連盟は団体リーグ戦、個人戦、ペア戦、段級位認定大会など各種大会を主催し、運営に当たっています。全日本のもとに全国八つの地区連盟があり、中でも関東は群を抜いて大きな組織です。現在は一般の部(1チーム5人)が5部リーグまであり、関東リーグ独自の制度として女子部(1チーム3人)もあります。1部当たり8校で、春秋のリーグ戦の結果で上位2校が昇格、下位2校が降格します。
試合は研さんの成果を示す場ですから、日ごろの部活動もそれを意識したものになります。リーグ戦の時期となると、学生の目の色が変わります。とはいえ、おのずと体育会系の部とは雰囲気が異なります。とりわけ近年の大学囲碁部は明朗で、初心者で入部しても団体戦の選手たち(こちらは県代表級かそれに近い猛者ぞろい)と一緒に活動していますし、連盟も級位者を意識した企画を拡大しています。女子率も高くなりました。
ここのところ、囲碁を正課に取り入れる大学が増えています。2005年の東大を手始めとして、昨年までに17校に達し、さらに増加の勢いです。うれしく、心強いことです。囲碁は、その知的創造性を思えば、立派な素養であるはず。さらにこれが入部につながり、連盟の活性化を支えてくれれば、と期待しています。
(関東学生囲碁連盟会長)