岡目八目
(4)つながりを維持、発展させて
(寄稿連載 2014/05/13読売新聞掲載)私が現役だった40年前の関東リーグは東大、早大、中大が三強とされていました。その後、慶応大を絡めつつも、東大を軸とした時期が長かったようです。この10年ほどは早大の一強時代といってよく、他校の奮起が望まれます。
近年の特徴として、日本棋院の院生出身者が増えていることがあります。院生の卒業年齢が下がったことで、大学囲碁部に活動の場を求める諸君が多くなってきたためでしょう。その影響で順位に影響が出ることもあります。
強い者で固まってしまう心配をしたこともありますが、杞憂(きゆう)でした。強くなくても参加して楽しめるという、最近の学生囲碁界の雰囲気になじんでくれていると感じています。ただ目を他の地域に転ずると、加盟校数の伸び悩みもあるようです。女子部リーグも関東限定のようですし、今後の課題といえます。
学生時代のつながりを、卒業後もどう続け発展させていくか。現役や若いOBの皆さんに考えてほしいことです。囲碁は長く続けられ、世代間で楽しめるゲームですから。
世話焼きタイプがうまくはまって活躍してくれる学校は、上下のつながりもうまく保てているように感じます。それにしても、全体的にOBの集まりの高年齢化は否めません。私の原点は、憧れを抱いて大学囲碁部に入り、濃さに引かれてはまりこんだことです。その濃さのおかげか、卒業後も身近な人とのつながりを大切にしつつ、少しずつ輪を広げてこられました。若い方々にも同窓会楽しいよ、卒業生の世代対抗戦なんてもっと楽しいよ、とお伝えしたいのです。
(関東学生囲碁連盟会長)(おわり)