岡目八目

佐藤尚次さん

佐藤尚次さん

(3)碁に集中する気持ちは不変

(寄稿連載 / 2014.04.22読売新聞掲載)

 現在の関東学生リーグは春秋とも3日間で7試合をこなします。十数年前までは4日間かけていました。昭和20年代の先輩のお話を伺うと、当時は持ち時間の制限がなく、ときに延々と試合が続き、「何日間の日程」という設定自体にあまり意味がなかったようです。手合時計がなかったためにやむを得ず、という事情もあったのでしょうが、お話の行間に「おまえらなんぞヌルイわ」という自負が感じられます。

 時代によって学生気質が変わったかどうかは難しい問題です。4日間を盤石運び、記録係、秒読み、清掃、試合後の反省会に費やす生活を当然のごとくに4年間続けましたが(選手での出場もあります!)、今の学生諸君だって、4日が3日に減って楽になっただけで、気持ちは同じではないかという気もします。面白いと感じたことに集中し、闘志はあるけど体育会的雰囲気には違和感ありという印象は、見た範囲の先輩から現役まで共通ではないかと――。

 私の学生時代、有名作家がスポーツ紙の企画で女子大生と十番碁を打ち、単行本化されたことなどもあって女子部の活動は活発でした。ただ、紫煙たなびき、殺気に満ちた一般の部の会場は、女性には気詰まりだったかもしれません。その雰囲気を変えたのは、先々代会長の所雄章先生の時代です。先生は団体戦、個人戦を問わず顔を出され、腕に覚えある女子を見つけては手合わせし、食事会も催されるなどして盛り上げて下さいました。それが女性たちに連帯感と意識向上を呼び、連盟全体の雰囲気のソフトな進化にもつながりました。

(関東学生囲碁連盟会長)