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岡目八目

読売新聞 2010/06/08掲載
塩崎泰朗さん

(2)囲碁人口の減少で苦境(寄稿連載)

 ◇しおざき・やすあき
 囲碁普及のため、日夜頑張っている碁会所業は、今や経営上の危機に見舞われています。売り上げの減少が甚だしく、20年以上前の最盛期に比べて、半減はおろか、3分の1以下にまで落ち込んだ店も少なくないのです。
 ひとくちに碁会所と言っても、繁華街型大型店(繁華街の駅近くで高家賃を払って営業)、郊外型小型店(郊外の住宅地で、ほとんど家賃がかからない場所で営業)の二つに大別されます。苦境の度合いが大きいのは、損益分岐点の高い大型店の方です。
 ある老舗の碁会所の話では、「30年前の最盛期は、碁盤1面が日に3回転、1週間で家賃分の売り上げがあった」そうです。それが今や、最大の固定費である家賃分を稼ぐのに1か月近くかかる店が大半であり、中にはどうしても家賃分の売り上げに届かぬ月が続き、ついに廃業に追い込まれる店も少なくありません。なぜ、こうなってしまったのでしょうか――。
 言うまでもなく最大の要因は、囲碁人口の減少です。
 レジャー白書などによると、30年前には1000万人を超えていた囲碁人口が、10年前には400万人を割り、今や300万人を低迷するありさま。碁会所の客が3分の1に減ったのと符合します。
 現在の囲碁人口の大半は高齢者です。戦後生まれの団塊世代、それに次ぐ中年層は、目新しいゲームなどに目を奪われ、成長期に囲碁習得の機会を逃して、その後も縁がなし。若年層も、数年前に「ヒカルの碁ブーム」はあったものの、長続きはしませんでした。前途は暗いと言わざるを得ません。
(囲碁同業組合事務局長)
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