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岡目八目

読売新聞 2010/06/22掲載
塩崎泰朗さん

(4)碁会所で楽しいひと時を(寄稿連載)

 ◇しおざき・やすあき
 囲碁から学べる10大能力があると考えています。構成力、分析力、企画力、判断力、決断力、計算力、推理力、洞察力、忍耐力、創造力――です。
 感性(右脳)と知性(左脳)が混然一体となったこれらの能力の大半は、学校で教えることの出来ないもので、昔の企業や軍隊が、囲碁を教育の一環として採用していたのも当然と思われます。それ故に囲碁人口は高齢者が多いのでしょうが……。
 囲碁はよく、人の一生にたとえられます。19路と、やや広めの盤上には、山あり谷あり地獄あり、そして時には天国ありで、多くの悲喜劇のドラマが現出します。
 教室や指導碁はともかく、碁会所の一般のお客様には、何も10大能力を身につけようと来る人など一人もいないでしょう。組合でアンケートを取ったところ、「熱中できて楽しいひと時を過ごせるから」が圧倒的でした。「ボケ防止」がこれに次ぎ、「強くなりたいから」は、やっと3位。
 個々のお客様の碁は、性格が異なれば棋風も異なり、色々な個性がぶつかり合う盤面を見るのも楽しいものです。
 組合の会合でも、普及に情熱を燃やす前向きな意見から、徐々に、生き残り策模索のいわばシノギ型の意見が増え、最近は、ほどほどに、しかし明るく楽しくやって行こうと、割り切った意見が増えてきています。
 たとえ道は険しくても、伝統文化のともしびを消すまいと、きょうも頑張っているのが、町の碁会所の姿なのです。今まで、碁会所に縁のなかった囲碁ファンの皆さんも、一度足を運んでみませんか。
(囲碁同業組合事務局長)
(おわり)
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