岡目八目
(2)詰碁の反復で読みの力
(寄稿連載 2017/7/4読売新聞掲載)私は現在84歳、囲碁歴は70年です。碁の八段と将棋の五段と麻雀二段を合わせると十五段。チェス・ポーカー・コントラクトブリッジ・バックギャモンなど、ゲームと名の付くものはほとんどプレーしたことがあります。囲碁の対局は街の碁会所からインターネット対局に移り、欧米人を中心にこれまでに800局ほど対戦しました。
囲碁の上達法としては、「定石・手筋・詰碁・ヨセの勉強」「新聞やテレビ、ネットでの碁の観賞と次の手の予想」「2~3子強い人に習う」「自分の得意な戦法や型を作る」「自分の棋譜をとって並べ直す」などがあると思います。親しかったアマの強豪・村上文祥さんは、毎日プロの打ち碁を1局並べていました。酔って遅く帰ったときでも並べたそうですから、凡人にはとてもまねができません。
私のおすすめは詰碁です。自分の棋力より少しだけ難しい問題が載った本を買い求め、1題につき4~5分ほど考えます。わからなければ解答を見てから改めて問題に戻り、目で手順を追う。読みのトレーニングです。1冊読み終わったらまた初めに戻ります。2回目でもかなり忘れているかもしれません。こうして何度も何度も繰り返し、手順を暗記します。
詰碁の本には色々な手筋が含まれていて、実戦で大いに役立ちます。読みの力が付きますから、あなたの棋力は大幅にアップするでしょう。2~3人のプロの先生に伺ったら、素晴らしい方法だと言われました。
私は三段くらいまで詰碁の本しか読みませんでしたが、読みの力が付き乱戦に強くなったようです。
(日本水道工業団体連合会名誉顧問)