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岡目八目

高木祥一さん
読売新聞 2017/03/28掲載
高木祥一さん

(4)道策対AI 想像楽しく(寄稿連載)

 ◇たかぎ・しょういち
 話題になっている囲碁の人工知能(AI)「Master」の棋譜を知人からもらって、一通り並べてみました。とんでもなく強いですね。人間では気づきにくい発想がいくつもあって感心しました。
 利かしであったり、相手の石を凝らして効率を悪くするという感覚に優れています。早碁であれば、トップ棋士であっても問題なく破ってしまう強さになっているかもしれません。
 そうした対局を見ているから、いまの棋士はAIが打っている手を一生懸命に研究しているのだと思います。最近の碁を並べていて、至る所にAIの影響が出ていると感じます。今まであった定石を離れて、より自由に打つようになったとも言えるでしょうか。
 その打ち方を見ていると、江戸時代中期の名人である本因坊道策にも、同じような雰囲気の碁がたくさんあると感じます。部分的な損得よりも全局的な視点で盤面をとらえて、自由自在に打ち回す。AIのタッチは、道策と似ています。
 道策は、幕末から明治時代にかけて活躍した本因坊秀和や、幕末に夭折(ようせつ)した本因坊秀策よりも100年以上も前に活躍していましたが、いまだに史上最強という声も多い棋士です。道策の打ち回しは、その後の囲碁のあり方を大きく変えました。17世紀という時代に、独創的な打ち方を考えていた想像力は、すばらしいと思います。
 強いAIの登場をきっかけに、道策の碁が再び注目される可能性もあると思います。道策だったらコンピューターとどう戦うのか――。そんな想像をするのも楽しいですね。
(囲碁棋士九段)(おわり)
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