岡目八目

棚瀬寧さん

棚瀬寧さん

(2)海外棋士も「クエスト」利用

(寄稿連載 2017/08/29読売新聞掲載)

 学生たちが使うようになり、囲碁クエストは徐々に軌道に乗り始めました。強い人は囲碁をやる友人も多く、ネットワークもあるので、口コミの影響力が大きい。ツイッターなどで話題になり、さらに大橋拓文六段をはじめとするプロ棋士も取り上げてくれて、利用者の輪がどんどん広がっていきました。

 テレビの囲碁番組で紹介された時は、一気にユーザーが2倍になるほど反響がありました。そこで若者だけでなく、幅広い年齢層に広がったと思います。2014年秋からは、13路盤の対局もできるようにアプリを改良しました。今では9路盤よりも、13路盤の方が人気があるほどです。

 驚いたのは、日本のプロだけでなく、海外の棋士も囲碁クエストを楽しむようになったことでした。一時期は、9路盤の利用者の上位を、ほとんど韓国の棋士が占めていたこともありました。

 韓国のトッププロたちの写真に、囲碁クエストを楽しんでいる場面が写りこんでいたこともあります。どうやって囲碁クエストを知ったのか、何と呼ばれているのかさえもわからないのですが……。

 9路盤は事前にどれだけ研究しているかが勝負というイメージがあったのですが、19路盤と同じように、9路盤でも地力が出るのだとわかりました。

 プロやアマ強豪も楽しむようになった囲碁クエストですが、それでも他のインターネット対局サイトよりは、初心者や級位者の層が圧倒的に厚いと思っています。僕自身がアプリによって囲碁を覚えたので、このアプリが囲碁を始めるきっかけになればいいと思っているんです。

(フリーライター)