岡目八目

梅沢由香里さん

梅沢由香里さん

(1)ヘルシーお菓子作って欲しい

(寄稿連載 / 2005.07.11読売新聞掲載)

 ◇うめざわ・ゆかり

 数か月前、体調が優れず健康診断を受けたところ、砂糖とお酒を止められた。この年で、である。特にお酒は週に1度も飲まないだけに不本意だったが仕方ない。

 今まで「由香里ちゃんはいいよね、太らなくて」といわれ、むしろ場所によっては太りたいぐらいだと心底思っていたので、いつも食べたい量を食べて飲むのが当たり前だった。対局中のチョコも必需品だった。

 しかし――それ以来ピタッと市販のお菓子は禁止。食べるなら健康食品店の特別なお菓子か、ヘルシーな材料で作った自作のものだけである。はっきりいって美味(おい)しいものは少ない上に高いし面倒だ。ところが思わぬ良いことがあった。前よりイライラすることが少なくなったのである。

 禁じられて以来、食事に関する本をたくさん買い、関心を向けるようになった。すると実は精製された白砂糖を取りすぎると、身体だけではなく精神状態にも悪影響を与えることがわかった。食べた直後は血糖値が急上昇し気分がよくなるが、数十分後、今度は急降下し落ち込むという。実際、自分で精神状態の変化を感じてみると、近年の様々な問題は食生活も原因の一つかもしれない、と思うようになった。関心を向けていると「食育」なんていう言葉も自然に耳に入ってくる。もしかして食生活にもっと関心をもつことは、ニッポンをさらに良くするかもしれない。

 ここで是非お菓子メーカーの皆さんにお願いしたいことがある。日本のお菓子は本当に安くて美味しいものがたくさんある。大好きだ。でも今は食べられない。そこで――糖尿病の人や甘いものを控えたい人向けに、美味しくてヘルシーなお菓子を作ってもらいたい。子供の健康を考えるお母さんや、食事制限をしている人、ダイエットをしている女性たちにきっと喜ばれると思うのです。発売されたら売れると思うんだけどな。いかがでしょうか。そんなお菓子ができたら対局中にも必携します!

(囲碁棋士、五段)