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岡目八目

読売新聞 2005/08/01掲載
梅沢由香里さん

(3)囲碁の普及発展はプロの使命(寄稿連載)

 今年でプロ10年目、ただ碁を必死に打っていればよかった当初と違い、いろんなことが耳に入ってくる。
 一番驚いたのはファン層の年代。わかっていたつもりだがこんなにも高年齢の人々が多いとは思わなかった。しかし興味深いのは50代60代に続いて多いのがなんと10代! ヒカルの碁で囲碁を覚えた子供たちがいかに多いかよくわかる。
 新たなファンも増やしたい、そして今までファンでいてくれた方たちが囲碁を、そして囲碁界をさらに魅力に感じてもらえるようにしたい。そんな気持ちをもった今、自分たちにできることを精一杯やりたいと思い、月に一回「若手会」と称して有志の棋士仲間と共に囲碁界に貢献できることを議論し、行動し始めた。
 まだ試行錯誤だが、その一つにネットリーグがある。これはインターネットを通してプロ同士ハンドルネームで対局をし、それをファンの人たちが自由に観戦できる仕組みだ。
 対局はハンドルネーム同士なので私たちも誰と打っているのかさっぱりわからない。だからあとで聞いてびっくりすることがある。「大したことないな」と思った人が実はとんでもなく強い人だったり。いかに日ごろ名前だけで怖がっているかがよくわかる。しかし仮に名前を知る機会がなくても、対局を重ねていくうちに「あの碁はあの人だよね」と碁だけで何となくわかってしまうのが面白い。ネットだからこその面白さがたくさんあるのだ。
 そして今もう一つ取り組んでいるのが、入門方法の研究だ。もし囲碁がすぐに覚えられるものだったら、全然普及度が違うと思う。実は囲碁って簡単に覚えられる、となったらもっと楽しむ人が増えるだろう。少しでも良い方法を研究していくのはとても大切なことだと思う。プロとして強くなること、そしてその文化を普及発展させていくこと。これは何かのプロである以上、大事なミッションだと思う。まだまだ未熟者だが一つ一つできる事をやっていきたいと思うのである。
(囲碁棋士、五段)
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